【ヒプノシスマイク】おい、こいつどうにかしろpart6

story168 ページ19

｢兄貴、お客さんです｣




私の前を歩いていた男の人がそう言うと乱暴に開かれた


怒ってるのかな……なんて思いながらチラッと中を見るとMAD TRIGGER CREWの3人の姿


少し驚いた表情をしたあと、フッと笑った銃兎さん




｢おやおや、これは珍しい方がお見えになりましたね｣

｢どうかしたのか、A
忘れ物か？｣

｢いや、そうじゃなくて……｣

｢……？
何かあったのか？
小官が手伝えることなら手を貸そう｣




い、言えるわけない


MAD TRIGGER CREWみんな揃ってるってわかってたのに来るなんて改めて馬鹿だ、私


何も言えないでいると銃兎さんが口を開いた




｢もしかして左馬刻に用があったんじゃないですか？｣

｢え？｣

｢そのためにわざわざ来たのでしょう？
理鶯、私達は席を外しましょうか｣

｢そうだったのか
気づかなくてすまない｣




そう言って立ち上がる2人


銃兎さんは私の隣を通る前に私の肩を掴み

『頑張れよ』

と小さな声で呟いた


私は咄嗟に銃兎さんの顔を見ると少し辛そうな表情を浮かべている


そうだ、あのときの言葉も2人の態度も私の思った通りだったんだ




｢ま、待ってください！！｣

｢おい、A
俺に話があるんじゃねぇのかよ｣

｢あ、あります！！
でも、ちょっとだけ待っててください！！｣




私はそれだけ言うと止まっていた2人のあとを追った




｢どうかしたのか？｣

｢今から大切な話をする時なのになぜ……｣

｢私、ちゃんとまだ言えてなかったから……
何も言わないで左馬刻さんに言うのは2人に失礼だから……｣




そう言うと2人は私の目の前に立って笑みを浮かべた




｢そんな気遣い、わざわざしなくてもいいのに……
律儀な方ですね｣

｢だって……！！｣

｢……俺達のことは気にしなくても大丈夫だ
ちゃんと伝えて来い、A｣

｢銃兎さん……｣

｢左馬刻は頼りになる男だ
貴殿達なら大丈夫だろう｣

｢理鶯さん……｣

｢なんで泣きそうになってるんですか、貴女は
そんな顔で行ったら私たちが怒られます
ちゃんと貴女らしく笑みを浮かべてください｣

｢……はいっ｣




私は2人に頭を下げてさっき来た道を引き返し、部屋の中へ戻った


そこには不機嫌そうな顔をした左馬刻さんの姿があった

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