20［past］ ページ23
樹、A ［14歳の時］
今から2年前、俺達は中学2年生だった。
Aのことは幼稚園の頃から好きだったけど、その思いを伝えるとか、両思いになるとか、俺にはまだ分からなくて、一緒にいるだけで十分だった。
けど中2になった途端に、それまではほとんど存在しなかったカップルが出来始めて、そのカップルが事あるごとに冷やかされたりするんだけど、それが羨ましくて…
俺も冷やかされる側になりたい。
最初はそういう不純な動機でAに告白しようって決めた。
毎年風磨とAと3人で行っている花火大会の時期が今年もやってきて、この花火大会で告白するって決めてた。
その日俺は変に緊張しちゃって会場に着いてからもずっとソワソワしてた。それもAに心配されるくらいに。
「樹どうしたの？もしかして私、帯キツく締めすぎた？」
Aは茶道の家元の娘なだけあり、着物や浴衣の着付けは完璧だ。
今年も風磨と俺は、Aに浴衣を着付けてもらった。
『んーん大丈夫。Aは年々着付けが上手くなってる気がする。』
「ほんと？嬉しいな！」
花火が上がるまで残り数分になった所で、突然風磨に異変が起こった。
「うっ」
「風磨！どうしたの？」
「腹痛い。たい焼きにあたったっぽいわ」
お分かりの通り、これは俺とAをふたりにするための演技。
俺が風磨に頼んだことだし、有難いんだけど…
さすがに たい焼きにあたった は無理あるわ風磨
「ごめん、Aと樹先に行ってて」
そして風磨は腹痛の演技をしながら去っていった。
「浴衣だけど、大丈夫かな。」
『風磨だしなんとかするよ。先行っとこう。』
いつもの海が見える公園から花火を見るのが俺達のお決まりで、今年は2人で見れるんだって嬉しかった。けど、Aはそうじゃなかったみたいで。
「風磨戻ってこないね。もうすぐ花火始まるのに」
『ねえA、今年は2人で花火見ようよ。
実は、あの、俺さ…Aのこと…
「何でそんなこと言うの？」
え…』
「私は3人で見たかったのに」
ﾊﾞｰﾝ…
Aが言葉を発したその瞬間花火が上がり始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海(プロフ) - ライオンさんの彼女さん» ありがとうございます。更新頻度上げていけるように頑張ります。 (2019年12月6日 0時) (
レス) id: 66b8c4f431 (このIDを非表示/違反報告)
ライオンさんの彼女 - 更新頑張ってください。応援してます。 (2019年12月5日 17時) (レス) id: e1327cde42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海 | 作成日時：2019年11月18日 23時
