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きっと彼は、彼等は沢山の後悔をした
国民を守れなかった
部下を守れなかった
国を守れなかった
仲間を守れなかった
守りたかったものを守り切ることができず散っていくのをその目で見てきた
もう十分だろう
風が落ち着いてあたりがまた静寂に包まれる
赤い瞳はゆっくりと瞬きをした後、視線が下へと落ちていく
護身用に持っていたナイフと銃をトントンの手に握らせた
tn「俺は、もう二度と、」
唇を噛みしめ、銃とナイフを両手でしっかりと握るトントン
言葉の続くが紡がれることはなかったが何を言おうとしたのか分かった気がした
『お前の仲間を助け出すのは始末人である私の仕事だ。
さてトントン、お前が仲間を守れる万全な体調にするために今やらなければいけないことがある。
お前なら何かわかっているな？』
tn「ちゃんと睡眠をとること、です。』
『わかっているならいい。じゃあな。』
この様子じゃもう少しここにいるだろうな、と思い方にかけていたブランケットをトントンの肩にかけてからその場を去る
私室に戻ってから大きなため気をついて考える
私はこんなにお人よしだっただろうか
彼らが経験してきたことなどどうだっていいのに
肩入れしすぎてしまっているかもしれない
しかしいつまでもあの調子じゃ面倒だったからまぁいいだろう
使えるものは使っていかなければならない
この依頼が終えるまで彼らが死んでもらっては困る
依頼は完遂する、これが私の始末人としてのプライド
そのあとのことは知ったことではないが
それならば私が彼らのことを守るより彼らがお互いを守りあったほうが確実だ
ベッドに倒れ込んで大きく深呼吸をする
人を守りながら任務を行うのは初めてのことだったからかなり疲れている
それなのに眠れないのは、きっと私の原因だろう
生きることへの拒絶
癖になってしまっているらしい
死に方はもう決まっているのに生へつながる行動を避けてしまう
寝ることも満足にできなければ、食べることはもう不可能に近い
口に入れても飲み込むことが困難だし何とか胃に入れても体が吐き出そうとする
面倒な体だ
それでもまだ死ねない、死ぬことは許されない
『許してくれ、まだ時間がかかりそうだ。』
虚空へ向けた言葉は誰かの耳に届くことなく消えていった
耳に刺さるような静けさがより一層心音を響かせる
瞼を下すし暗闇を見つめる
ベッドに沈み込むように意識を手放した
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詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
