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zm「！A！」
馬車にはゾムがすでに到着していた
顔に巻いてた布を取り彼に近づく
『…仲間は？』
zm「生きとるけど…かなり弱ってるな。』
ゾムの仲間は馬車の荷台で気を失っていた
ゾムがいるという安心感から気が緩んでしまったのだろう
巻いていた布を広げ彼らの体に被せて馬の手綱を握る
あたりはすでに暗くなっていた
先ほどまでいた館の騒音が少しずつ遠ざかっていく
月明りを頼りに夜道を進む
館につくまでの間、ゾムは仲間の呼吸を確かめるなど落ち着かない様子だった
館につくとトントンたちが一斉に外に飛び出してくる
tn「ゾム！」
駆け寄ってくるトントンに対しゾムは親指を立てて笑う
zm「うまくいったで。」
『重度の栄養失調、その他諸々で瀕死状態だけどな。』
荷台で寝ている青白い彼等の顔を覗きながら言う
ゾムとトントンによって二人は中に運ばれていく
しんぺい神はそんな彼らについていきコネシマとエーミールは馬を厩に戻しに行った
os「ありがとうございました…本当に。」
『依頼されたからそれを完遂しただけだろう。お前たちは簡単に頭を下げすぎだ。』
感謝の言葉を言いながら頭を下げたオスマンに言い放つ
オスマンが頭を上げると驚いたような、しかしどこか納得したような顔をした
os「そか、貴方にとって俺らはただの依頼人なんですね。」
『それ以外に何がある。』
os「いいえ、でも分かってて欲しい。俺らにとってAさんは命の恩人なんです。」
それだけ言うとオスマンは軽く頭を下げ館の中に入っていく
『命の恩人、か。』
確かに彼らを窮地から救ったのは私かもしれない
だがそれは彼らがそうであると思っているだけで実際は違う
私は人を救えるような人間であるはずがない
表面上は救っているように見えるが、ただそう見えているだけ
彼らを救うのは彼ら自身だ
em「Aさん？どうかしましたか？」
kn「そうや、A！厩の裏の山は入ってもいいんか？」
厩から帰ってきたエーミールとコネシマが私に声をかける
ただ立ちつくしていた私を不思議に思ったのだろう
『なんでもない。ここら辺一帯は私の敷地になっているから勝手に使え。
あとトントン達に館内の部屋や物は自由に使っていいと言っておけ。
いちいち許可を取りに来られるのも面倒だ。』
ただそれだけを言って私室に戻る
いつの間にか冷えた指先を温めるように手のひらを握った
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詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
