42 ページ44
os「以上です。」
『そうか。』
朝早くに私の部屋を訪れたオスマンとトントンは徹夜で考えただろう作戦を説明した
侵入方法から侵入経路、見張り兵の倒し方……
緊急時の逃げ道まで考えられていた
元軍人、作戦を立てるのはうまいらしい
だがひとつ、変更点がある
『ここでゾムと私は別行動をとる。』
指をさした箇所は鬱先生とシャオロン、及びその他の捕らえられている人たちを救出する所
2人は不思議そうに顔を見合せる
tn「何故ですか？」
『ゾムはお前たちの仲間の救出に専念してもらう。
私は他の奴らを連れて外に逃げる。なるべき騒ぎを大きくしながらな。
その後、合流して館に戻る。』
ゾムならば二人担いで逃げられるということを前提にした作戦になる
二人の反応的にそれは大丈夫そうだ
無理だったら無理とすぐに言うはずだからな
tn「しかしそれではAさんが危険に晒されます。」
『構わない。』
os「一人で捕まってた人たちを守りながら外に出るのは厳しいかと。
確実に向こうはこちらに攻撃をしてきます。」
そうだろうな
彼らが外に逃げてしまったら違法なことをしていたことがばれるわけだから
しかし私なら対処可能なはずだ
『捕まっている奴らの面倒を見るのは私一人で十分だ。
そして重要なのは依頼者とその対象の命であり、私や他のやつの命はお前達がそこまで気にする必要はない。
お前たちの計画は確かに素晴らしいものだが、全員が生きて帰ることを前提としている。
それがだめだ、切り捨てるという選択肢が入っていない。
ゾムと私は別々で行動したほうが確実にお前たちの仲間が生きて帰れるだろう。』
そもそも警備の兵士に私がやられるとも思わないしな
私はそこまで弱くない
手に持っていた資料を置いて背もたれに体を預ける
いつの間にか入れられていた紅茶の水面が揺れた
顔を上げると二人は困惑したような、驚いたような顔をしていた
『なにか意見があるのか？』
tn「流石にそれは、厳しいかと…。」
『あぁ、お前達は私の実力を不安に思っているのか。心配するな、依頼は必ず完遂すると決めているからな。』
まだ何か言いたげな2人を部屋から追い出す
これ以上話すことも聞くことも無い
恐らく2人のどちらかが入れたであろう紅茶は冷めていた
口をつけずに机の端に寄せる
今までも、これからも、全ては目的達成のため
それを忘れてはいけない、絶対に
窓を開けて入ってきた風が静かに頬を撫でた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 411人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
