37 ページ39
沈黙が続く
私から話し始めてもいいが、何のために呼ばれたかもよく分かっていない
十中八九昨日の男関係のことだと言うことは分かるが
男も男で向こうから口を開き訳もないため、誰もが気まずそうにキョロキョロとあたりを見渡していた
気まずい空気にトントンも口をつぐんでいる
os「この人が助けてくれたかたやで。」
意を決したようにオスマンが口を開く
助けてくれた、という言葉には間違いがあるが
『助けたわけじゃない、拾っただけだ。』
「…ありがとう、ございます。」
渋々と言った感じで感謝の言葉を口にする
私を疑っているのか、それともあそこに留まりたかったか
まあ前者であろうな
こちらをじっと見つめている割には彼の目は細かく震えていた
震える紫の瞳と視線が交わらないように目を閉じ溜息を吐く
『私はA。お前を助けたわけではなくたまたま標的のところにいたから連れて帰ってきただけだ。
だから私に感謝しなくていい。
それとお前に興味はないので怯える必要もない。
名前はお前が私に名前を知られてもいいと思ったタイミングで言え。
信頼も出来ない人物に名前など言うものではないからな。』
眼を開いて男の様子を見るとじっとこちらを見て何かを考えているようだった
その後コネシマをはじめ自らの仲間の方を見た
「コネシマさん達は、名前言ったんすか？」
kn「言ったで、今日の朝な。」
tn「まだ信頼できるわけではないけど、悪い人ではないと思うわ。」
「…ショッピ、ていいます。」
彼は相当仲間のことを信じているらしい
仲間の判断を信じて名前を言う彼の瞳は先ほどとは違い強くこちらを見ているように感じた
『そうか。』
もうここに居る必要はないと判断して席を立ち、食堂を去る
自室に向かう途中、玄関を通り過ぎたあたりで玄関のほうからノック音と聞き慣れた声で始末人さーん！と呼ぶ声が聞こえた
玄関に引き返し扉を開けると見慣れた顔があった
『…何しに来た、情報屋。』
「これ頼まれていた資料！といってもまだまだこれから調べることもあるんだけど…。
とりあえず今分かってる情報持ってきたよ！」
『お前にここを教えた記憶はないが。』
「俺の職業忘れちゃったの？」
満面の笑みでこちらを見る情報屋に溜息をつく
どうやらこいつに情報を隠すのはまず無理だし、無駄な行為だろうな
こいつのことだから大丈夫だとは思うが面倒なやつにこの館の場所を知られたな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 411人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
