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「報告の為にわざわざご足労頂きありがとうございます。」
どうぞお飲みください、と差し出された紅茶に手をつけずに地図を取り出す
昨日の女の拠点を指さしながら言う
『女の死体はここにある。人 身売買の証拠もおそらくそこにあるだろう。
後の処理は任せた。私を信頼していないだろうから女の死体は残してある。』
「信頼していますとも。」
国家の犬であろう目の前の男は小切手を差し出してきた
それを受け取り、持ってきた鞄に仕舞う
『…ひとつ聞きたいことがある。』
「何でしょう？」
前の依頼でも疑問に思ったことだ
明らかに可笑しい点がひとつだけある
『この国は奴 隷制を厳しく取り締まり、人 身売買についても同じように厳しく取り締まっているだろう。』
「はい、そうです。」
『にしては最近、そういった関係の依頼が多い。何故だ。』
取り締まっているにもかかわらず、最近の依頼は奴 隷やら人 身売買やらを行っている人間の始末が大多数を占めている
どう考えても可笑しいのだ
「私が知っていることは、そういったことを行う人間は国外からこの国に入国し、活動しているということだけです。」
『目的は？』
「私は奴 隷など許せるものではないと思っていますが、全員が全員そういうわけではありません。
しかし、確かにここ最近は奴 隷商人の検挙数も増えています。
私たちも調べてはいますが、まだ最近の増加傾向の理由は分かっておりません。」
『そうか。』
依頼主の言葉に嘘はない
まあ私が気にするようなことでもない
それはこの国の問題だ
私は依頼を完遂すればいいだけ
足早に依頼主の元を立ち去りバーに向かう
CLOSEと書かれた看板を無視して扉を開けると店内にはマスターしかいなかった
『情報屋は居ないのか。』
「仕事があると。もうそろそろいらっしゃると思いますよ。
何をお飲みになりますか？」
『アールグレイ。』
マスターは慣れた手つきで紅茶を注ぎ、私に差し出した
相変わらずマスターのいれる紅茶は美味い
しばらくしてバーの扉が開く
「あれ？始末人さん来てたの？」
『ああ、お前に仕事があってな。』
「ごめんごめん、俺こう見えて多忙だからさ。」
確かにこいつの情報はいつも正確だからな
それなりに忙しいに決まっている
むしろ何故私の依頼をいつも必ずこなせるのか不思議なくらいだ
それくらいこの情報屋は腕がいい
だからこそこいつに頼んでいるのだがな
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詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
