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『駄目だ。』
金髪碧眼からショッピという男を助け出したいという気持ちは伝わってくる
だから何だ
私の目的はその男を助け出すことではない
この女を始末するだけ
金髪碧眼はその邪魔になる可能性がある
「何でや！？」
『お前に何が出来る。』
「戦える！！」
『長い間鎖に繋がれ、ろくに運動もしてこなかったお前が？
いいや、無理だ。お前は邪魔すぎる。』
そういえば若干口を噤んだが、それでも次の言葉をひねり出そうとする金髪碧眼
他の奴らも止めようとはしているが、強く止めようとしていない
つまり彼等は心の何処かでは、私に着いていきたいと思っている
仲間を助け出すために
『思い上がるなよ。』
冷たく、低い声が辺りを包む
何処からか雷の音が聞こえた
私の言葉を聞いて誰もが口を閉ざした
『お前達の実力はお前達が思っている以上に低い。
昨日だって、誰よりも警戒心が強く、そして暗殺という能力に長けているであろうその男はいとも容易く返り討ちにあった。
ただ少しだけ人を殺すという能力があるだけの素人である私にだ。
確かにお前達が軍人であった時は強かったのかもしれんが今は違う。
それともうひとつ言っておくが、私の目的はあくまでこの女の始末であり、お前たちの仲間を助け出すことでは無い。
お前達を連れて行って何になる、何が出来る。
いいや、何も出来やしない。寧ろ邪魔になるだけだ。違うか？』
腕を組み口を挟ませることなく言い切る
頭に血が上ったせいか、視界がグラグラ揺れる
目を閉じてはー、とゆっくり息を吐く
再び瞼を開けた時、彼等は何処と無く落ち込んでいるように見えた
『別にお前達の仲間を助けないと言ってるのではない。
そのお前達が言うショッピという男がこの女の元にいて、息があるならば連れてくる。
それでもまだ連れて行ってくれなどとほざくか？』
耳が痛くなるほどの静寂が部屋を包む
呼吸を、する音でさえ大きく聞こえるくらいの静寂
それを破ったのは金髪碧眼だった
腰を90度折り、頭を深く下げた
「…頼む、ショッピを頼む。」
『…あぁ。話は以上か。』
黒髪赤目が頷くと、他の彼らを連れて部屋を出ていった
机に突っ伏して大きく息を吐く
疲れた、非常に疲れた
ただでさえ館に私以外の気配がすることに神経をすり減らしているのにこのような事が立て続けに起こると流石に参るな
とはいえ時間は無いので何とか体を起こし、任務の準備を始めた
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詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
