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目を覚ます
まだ日は昇っておらず窓の外には月が煌々と浮かんでいた
目覚めるには早すぎる
が目覚めなければならない理由があった
『何の用だ。』
先程まで私が寝ていたベッドにはナイフが突き刺さっていた
ナイフを突き刺した男の腕を掴み捻りあげる
「ｯ…！！！」
『何の用だと聞いているのだが。』
目の前の男、茶髪緑眼は私の手を振り払い距離をとる
どこからかナイフをもう一本取り出し、私に向ける
『3度目だ、何の用でこんな時間にここへ来た。』
「…この状況で本気で聞いとんのか。」
ここへ来た当初からこの茶髪緑眼は他の奴らより殺意が高いとは思っていたがまさか行動に移すとはな
こういった時はどう対応すればいいか分からない
この男を殺せば面倒なことになりそうだし、だからといって今死ぬ訳にはいかない
ならば仕方ない
『話をしようか。』
「は？」
ナイフを構えたまま呆然とする彼を横目に紅茶をいれる
最善の解決策が思いつかないのなら話し合いで解決するしかないだろう
紅茶を注ぎベッドのサイドテーブルに置く
私はベッドに腰かけ、彼に近くの椅子に座るように指示をする
彼は困惑しながらもナイフをおろし椅子に腰かけた
いや、困惑していたからと言った方が正しいか
彼にとってこの状況は予想範囲外だったのだろう
予想出来なかったことだから思考が追いつかず、従うしか無かったのかもな
『それでなぜ私を殺そうとする？』
「…考えれば分かるやろ、そんなん。」
『分からないな。お前が私を必要以上に警戒していることは知っていたが。
それが私を殺す理由になるとは思えん。
私はお前達に興味はないと伝えているはずだ。
それでもなお警戒する理由が私には分からない。』
「そんなん信じられると思うか？」
嗚呼、成程な
この男は極度の人間不信になっているのだろう
まあ確かにそうだろうな
つまり私が信じられないから殺す、というわけか
「口だけならいくらでも言える。
いつお前が俺らに手を出してくるかなんて分からん。
なら手を出される前に殺すだけや。」
どこまでも仲間思い
此奴は今、仲間の為に私を殺そうとしている
口上では自分を含めた仲間達の為と言っているが実際は違う
もし自分を大切にしているのなら、今ここに彼は来ていない
自分が死ぬ覚悟で彼はここに立っている
再度向けられた刃は私の首に冷たく当たった
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詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
