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馬車を停めたところに戻ると彼等は全員揃っていた
『結局戻ってきたのか。』
「俺らには行く宛ても、頼れる人もありませんし。」
多少俯き引きつった笑顔でそう言い放つ黒髪赤目
情報屋から貰った資料に照らし合わせれば恐らくトントンという名前だろう
茶髪で緑の目の男ががオスマン
水色の神に碧眼がしんぺい神
金髪白目がエーミール
金髪碧眼がコネシマ
もう1人の警戒心の強い方の茶髪緑眼がゾム
今はトントンが彼等の精神的支柱なのだろう
ご丁寧に顔写真と名前は1枚に纏められていたので照らし合わせやすかった
情報屋はどこからこんな情報を手に入れてくるんだか
恐る恐ると言った感じで黒髪赤目がはなしかけてくる
「あの、お金残ったのでお返しします。」
『残ったのか。返さなくていい、お前達で持っていろ。』
「でも、」
『まさか私の言うことが聞けないと？』
そう言えば渋々ではあるが受け取った
簡単な脅しではあったが、未だに他人に恐怖を感じるらしい
いや感じやすいと言った方が正しいか
過去のトラウマは彼等を捕らえて離さないだろう
だからそれから逃れる方法は1つ
彼等自身が、それを倒し乗り越えること
だから私には何も出来ない
まあ、元よりするつもりはないが
馬車に乗るよう指示をして私は手綱を握る
館に戻ったら明日の準備をしなければ
おそらく明日を逃したら次の好機は簡単には回ってこない
確実に明日依頼を完遂する
ついでにショッピとかいう奴も居たら連れて戻るか
館に着き、馬を馬車から離す
長いこと一緒に過ごしてきた馬は従順で扱いやすい
馬小屋まで連れていこうとした所を彼等に呼び止められる
『なんだ。』
「あの良かったら俺らで馬の世話をしてもいいですか？」
『何故？』
「え、いや、少しでもお役に立てばと…。」
『…勝手にしろ。』
そういえば嬉しそうな表情をする彼等にため息を吐く
ため息を吐いた瞬間にまた元のこちらの様子を伺うような表情に戻った
なぜ役に立ちたがるのか私には理解できない
しかし馬の世話は結構面倒なことだから別にいいか
彼等が馬を小屋に連れていってる間に買ったものを全て運ぶ
結構な重労働で悲鳴をあげる腕と肩を抑えて自室のベッドに倒れ込んだ
1日街にいることがあまり無かったことためか疲労が一気に押し寄せてきた
明日の準備をしなければならないがまあ当日でも問題は無いだろう
押し寄せる睡魔に抗うことなく瞼を閉じた
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詩紀(プロフ) - 上級階級じゃなくて上流階級じゃないっすかね (2022年11月28日 10時) (
レス) @page2 id: 8014baf7d5 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！頑張って下さい！！ (2021年11月22日 21時) (レス) @page43 id: 52f70d6a1c (このIDを非表示/違反報告)
舞太郎 - わお、細かいとこまで繊細に書かれておりますねえーすげー一生ついていくっす作者様のらいの兄貴！更新頑張ってくださいなー (2021年10月7日 23時) (レス) @page33 id: 6f46ea7e84 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - この話凄く大好きだったのでまた読めて凄く嬉しいです！これからも応援しています！！ (2021年7月17日 0時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
あお - わわ、、、お帰りをお待ちしておりました、、！また貴方様の素敵なお話を読めると思うととても嬉しいです！これからも頑張ってください！ずっと応援しています！ (2021年7月16日 19時) (レス) id: eb48003aef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2021年7月10日 21時
