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その後もジェシーは，否定も，肯定もせず，ただ聞いてくれた。
全て話尽くしたところで，ごめん，と謝ると，
「なぁんで謝るのさー」とケラケラ笑っている。
「でも高地。いつでも おれを頼ってよ。今みたいに落ち込んだ時とか，疲れちゃった時とか」
「……ありがと」
「うっわ！その返事，全然頼ってくれなさそ！」
何で全部見抜かれてんの？
ジェシーを見上げると，「図星？」と笑った。
「ジェシーに迷惑かけたくないもん」
「迷惑なんて思わないよ。…っていうか，」
「うん？」
「おれが，一緒にいたいの。高地と，この子たちと」
ありがとう，と答えつつ，もったいないなあ…と思う。
ジェシーは今大学生で，同年代の子と普通に恋をすることができる時間なのに…。
おれや子どもの世話なんかに費やしていていいのだろうか。
そんなことを考えている内に，おれの家に着いてしまった。
まだ，樹も北斗も帰っていない。
少しだけジェシーを玄関に待たせて，慎太郎を布団の上に寝かせる。寝入っていることを確認して，急いで玄関へ戻り大我を受け取った。
「本当にありがとう」
「んーん，こちらこそ。ね，次はいつ会える？」
毎回別れ際には必ず聞いてくれるジェシー。
「ジェシーに合わせるよ」って毎回答えるおれ。その場でスマホのスケジュール帳を見て，次に会う日を取り付ける場合もあれば，シフトが決まったらLINEする！と約束せずに別れることも。
次の予定は，再来週に決まった。
またね，と大我の頭を撫で，軽く手を振って帰って行くジェシーの後ろ姿を見つめる。
こんなに良くしてくれているのに，
家に上げて，お茶の一つでも出した方がいいのかな
と思いつつも，いつも玄関で見送るばかりだった。
ジェシーの真っ直ぐな想いにおれも惹かれつつあるのかもしれない
そんなことに気付かなければ，とっくに家に上げていただろう。
家には，まだ真琴の遺骨がある。
四十九日には墓石の用意が間に合わなくて，なんて言い訳を並べて，おれが手放したくなかっただけ。
真琴もいる家にジェシーを上げることは，浮気をしているような…，やましい気持ちが少なからずあるからこそ，そんな感情に囚われてしまったんだ。
慎太郎の隣に大我も寝かせ，白くてふわふわな大我の頬の，涙の跡をそっと拭う。
「こんなの，父親として最低だよな…」
ジェシーとは，友達でいよう。
改めて心に決めて，夕食の準備のために立ち上がった。
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MOMO(プロフ) - ぴさん» 温かいお言葉ありがとうございます！今後も更新遅いかもしれませんが、楽しみにしていてください！ (2021年1月24日 21時) (
レス) id: 4320b1fb5c (このIDを非表示/違反報告)
MOMO(プロフ) - かえるさん» 更新大変遅くなってすみません！読んでいただきありがとうございます！丁寧に2人や家族の姿を書いていけるよう頑張ります (2021年1月24日 21時) (レス) id: 4320b1fb5c (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - MOMO様、はじめまして。とても素敵なお話で心がぽかぽかと暖かくなります。とても大好きな作品です！更新楽しみにしています！ (2021年1月22日 2時) (レス) id: 2638b3f7ce (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - MOMO様、大好きな設定です。更新を楽しみにしています。友人から恋人、家族になる二人と周囲の心情が描かれるのが楽しみです! (2020年10月3日 4時) (レス) id: 16b705ad97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MOMO | 作成日時：2018年4月3日 2時
