4.女としての魅力 ページ5
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ぴったりと私にくっつき、長いソファに横になってすやすやと眠るセフンさん。
呑気に昼寝してらっしゃいます…私を抱き枕にして。
「はぁ…」
私はちっとも眠くないのに。
セフンさんは穏やかにスースーと寝息を立てながら寝ている。
…彼は、私のことをどう思っているんだろう。
この1年間のうち、それを考えるのにどれだけの時間を費やしたことか。
契約上は、社長と社員。上部と部下。
でも、普通の上司と部下は、こんな抱き枕にする、されるの関係性ではない。
しかもセフンさん、よく私のことを子ども扱いするし。
そもそも、セフンさんが私をここに置いてくれることになったのは。
『なんか、実家で飼ってる犬のビビに似てるんだよね〜癒される〜』
…それが、無職で仕事の無く行き場に困っていた私を引き取った理由らしい。
それを聞いた時、私の心は、一度ポキッと折られた。
犬って…犬に似てるって…
しかも写真見せてもらったけどあんな真っ白でモフモフのわんちゃんと私のどこが似てるっていうんだ…。
私は、セフンさんのこと…
「ん〜…もふもふ…」
目を閉じたままそんな寝言を言ったかと思えば、もぞっとセフンさんの体が動いて…私の胸に、顔を埋めるセフンさん…
「ち、ちょっと〜！？！？」
慌てて突き放そうとするが、寝ているはずなのにすごい力で抱きしめてくる…
「んっ…なにぃ…？」
そのままぼんやりと目を開けて、セフンさんは私を見上げる…その顔はまだ私の胸にぴったりくっついたまま…
「はっ、離れてください！この変態！！」
「いった！！」
パシッと頭を叩くと、私から手を離して叩かれた場所を抑えるセフンさん。
その隙に抜け出す。
「容赦ないよAちゃん…」
「当たり前でしょ！！」
「あはは〜、顔真っ赤〜かわいい〜」
「な、なに笑ってるんですか！！」
顔が熱い…
なのに、セフンさんは平然といつもの調子で笑ってるし…
ふと、目が、セフンさんの下半身に行くけど…そこも、平常運転というか何事も起きてないというか…
私、やっぱり女としての魅力、無いのかな…
って、変態は私じゃん！？
「…家計簿付けてきます」
こんな時は、数字を見て心を落ち着かせるのが1番。
「はーい、お疲れ様〜」
そう言って、セフンさんは二度寝を始める…
こっちの気も知らないで…！！
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
