3.あなたの何として ページ4
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「んー、おいし！ほら、Aも食べな！あーん！」
「…自分で食べれますから」
「いいから！ほら、あーん！」
「…はぁ…」
私が渋々口を開けると、満足そうに笑って、出前で取ったお寿司を口の中に入れてくるセフンさん。
結局、こうやって彼の思い通りになる。
「やっぱりお寿司、おいしいね〜！ほら、もっと食べなよ！」
「…はい、ありがとうございます」
ふにゃふにゃ笑ってお寿司を私の口に運ぶセフンさん。
…なんか、幼い子どもに食べさせてるみたい。
私、もう20超えてるんですけど。
「ふーっ！お腹いっぱい！」
満足そうに長いソファに寝転ぶセフンさん。
桶は空になり、その隣には領収書…
「…え、ちょっと待ってください、セフンさん」
「ん、なに？」
「と、特上、頼んだんですか…？」
「うん！美味しかったでしょ？」
「い、いや、美味しかったですけど…」
そこに書いてある値段…
「に、2人前で8000…！？」
「それに見合う美味しさだったよね〜」
ふにゃっと笑って私を見上げるセフンさん…こ、この人…！！
「なんでそんな高いの頼んだんですか！？」
「だーかーら！お金は使える時に使うものなんだってば」
…この人のお金のルーズさには、1年経っても慣れない。
呆れて、ものも言えない。
立ち上がって、そろそろと部屋を移動する。
「A〜？どこ行くの〜？」
そんな呑気な声を無視して、いつもの引き出しを開ける。今日こそ、交渉する、
「え」
「ん、何、どうしたの」
引き出しの中は、空。そこにはいつも…
「あぁ、これ、探してんの？」
「な…！！」
セフンさんは、私が集めていたバイトのチラシをひらひらと見せてくる。
最近、金欠に耐えかねてこっそり集めて隠しておいて、セフンさんがいないときにこっそり見て今日こそはバイトを許してもらおうと…！！
「色々印してあるね〜…スーパーのレジ打ち…？だめ！可愛いAのレジだけ混んじゃう。営業妨害になる。却下。カフェ店員？何ここ、雰囲気チャラい。ナンパされ放題でしょ。却下。…てか、そもそも、うち、副業禁止！！」
ビリッとチラシを破るセフンさん…
「あぁぁ！！」
「バイトなんかしなくていいの！Aは俺のそばにいて！」
…それは…
セフンさんの、何として、ですかね…。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
