27.嫉妬に燃える目 ページ28
＜ベッキョン＞
Aちゃんが俺をオッパと呼ぶのに慣れるのは、すぐだった。
「だから！！そんなの着ないですって！！」
「あっはは！いいじゃーん！Aちゃんがこれ着てるとこ見たいし〜」
「ベッキョニオッパ変態！！」
「いって！男なんてみんなそんなもんだろ〜」
Aちゃん、案外よく喋る子で、からかい甲斐もあるから…いじるのが楽しい。
「まぁ実物見るのが1番だよね〜今度、一緒にショッピング行こっか！」
「ショッピング…ベッキョニオッパが全部払ってくれるなら行きますー」
「なっ、払うよ！もちろん！！」
「え、いや、あの、冗談です…」
「うん、知ってるよ〜」
「な…また揶揄いましたね！？」
「あはは！いや、本気で全部払うから！！決定ね！一緒に服買いに行こう！」
どのくらいAちゃんとワイワイ話していただろうか。
「ただいまー」
ガチャ、と扉が開いて、セフンが帰ってきた。
…何しに行ったんだろ。
「あ、おかえりなさい、セフンさん」
Aちゃんがそう言うと、セフンはピタッと足を止める。
そして、ジロジロと俺とAちゃんを見比べた。
「…仲良くなったんだ」
そう呟いてすぐに歩き出し、奥の部屋に消えていくセフン…
やっぱり、嫉妬してる。俺とAちゃんが仲良くしてること…。
「…な、なんか、不機嫌でしたよね、セフンさん…」
Aちゃんって、セフンが嫉妬してることな気付いてないのかな？
「うん、そうだね」
少し、それが面白くて…言わないでみることにした。
「どこに行ってたんでしょうか…」
「さぁね。やっぱり女の子のところ〜？」
「ばっ…！！ベッキョニオッパ、からかわないでくださいって！！」
「いててっ！力凄っ！！」
バシバシと恥ずかしそうに叩いてくるAちゃん…可愛いなぁ、ほんと。からかいたくなる。
本人にも言ったけど、セフンが可愛がる理由、分かる気がする。
真面目で良い子で、警戒心が強そうに見えて実は誰かに騙されそうな程純粋で、心配になるし…
なんか…小動物っぽくて、可愛い。
でも、本人は大人っぽく見られたいんだよな。
そのままでも十分可愛いのに…もったいない。
…って、何回可愛いって言うんだよ、俺。
なんて、思っていると。
…視線を感じる。
その方向を見ると…やっぱり。
セフンが、ドアの隙間からこちらを見ていた…嫉妬に燃える目で。
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作者名：LUKE | 作成日時：2020年10月6日 22時
