嘘と冗談と真実【ar×ym】 ページ47
同級生設定。
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俺の好きな人、幼馴染みの山田はすげーモテる。
毎日毎日コクられてる所を見てきた。
どいつも呆気なくフラれて、それを影ながら見て喜ぶ俺。
だけど、一人だけ違う奴がいた。
「やま、そろそろ俺と付き合ってよ」
同じクラスの中島裕翔は山田にフラれてもう10回目。
それなのに全然折れやしない。
そんなやつ初めてだったから内心ヒヤヒヤしていた。
押しに弱いところがある山田がいつかOKを出すんじゃないかって。
「んー?やだ」
あぁ、良かった。
今回もセーフ。
「なんで?」
「なんとなく」
こんなフラれ方してんのに“それじゃまた告白するね”って憎い爽やかな笑顔で去っていった。
「また裕翔に告白されてた?」
「うん」
放課後、下校は必ず二人きり。
山田は他の誰に誘われても俺と一緒にいる。
「で、なんて答えたの?」
「わかんない」
「わかんなくないだろ」
「うん。そうだね」
端からしたら可笑しな会話だよな。
でも繋がっているのは俺が事実を知っているから。
「やまだ、」
「断ったかどうか気になるの?」
「…」
「本当は知ってるんでしょ?」
全部見てる。
そのことに山田も気づいてる。
「そんなに俺のこと好きなら告白すればいいのに」
「…出来ねぇよ」
「どうして?」
「なんでも」
そう、全部、山田の手中に握られてる。
俺の気持ちも全部知ってて試すようなことばかり言うんだ。
「いいの?そんなに悠長にしてると、裕翔に取られちゃうよ?」
「…」
態度には出してないはずなのにいつから気付いてた?
それともからかって言ってるだけで、本当は何も気づいてない?
「ねえ、もうバレバレだよ?」
でも、その挑発も可愛いって思う俺は重症。
「だったら?」
「…ふーん。ま、いいや。大ちゃんがそんななら今度告白されたら付き合っちゃお〜」
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