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嘘と冗談と真実【ar×ym】 ページ47

同級生設定。


___________



俺の好きな人、幼馴染みの山田はすげーモテる。
毎日毎日コクられてる所を見てきた。
どいつも呆気なくフラれて、それを影ながら見て喜ぶ俺。

だけど、一人だけ違う奴がいた。


「やま、そろそろ俺と付き合ってよ」


同じクラスの中島裕翔は山田にフラれてもう10回目。
それなのに全然折れやしない。
そんなやつ初めてだったから内心ヒヤヒヤしていた。
押しに弱いところがある山田がいつかOKを出すんじゃないかって。


「んー?やだ」


あぁ、良かった。
今回もセーフ。


「なんで?」
「なんとなく」


こんなフラれ方してんのに“それじゃまた告白するね”って憎い爽やかな笑顔で去っていった。


「また裕翔に告白されてた?」
「うん」


放課後、下校は必ず二人きり。
山田は他の誰に誘われても俺と一緒にいる。


「で、なんて答えたの?」
「わかんない」
「わかんなくないだろ」
「うん。そうだね」


端からしたら可笑しな会話だよな。
でも繋がっているのは俺が事実を知っているから。


「やまだ、」
「断ったかどうか気になるの?」
「…」
「本当は知ってるんでしょ?」


全部見てる。
そのことに山田も気づいてる。


「そんなに俺のこと好きなら告白すればいいのに」
「…出来ねぇよ」
「どうして?」
「なんでも」


そう、全部、山田の手中に握られてる。
俺の気持ちも全部知ってて試すようなことばかり言うんだ。


「いいの?そんなに悠長にしてると、裕翔に取られちゃうよ?」
「…」


態度には出してないはずなのにいつから気付いてた?
それともからかって言ってるだけで、本当は何も気づいてない?


「ねえ、もうバレバレだよ?」


でも、その挑発も可愛いって思う俺は重症。


「だったら?」
「…ふーん。ま、いいや。大ちゃんがそんななら今度告白されたら付き合っちゃお〜」

◇→←◇



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作者名:有岡夢莉 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年3月4日 16時

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