検索窓
今日:6 hit、昨日:27 hit、合計:177,768 hit

ページ27

これからどうしたらいい?

大切なメンバーの山田に、、、しでかしてしまった。
しかも記憶がない……。


自宅に山田を残してロケに来ているけど俺の得意としている食レポも本日絶不調。
共演者の人に気を遣わせてしまった。

プライベートを仕事に持ち込むなんてプロ失格。情けない。
これは数日後に予定されているメンバーとのロケにも影響するだろう。

俺のせいで押してしまったロケも夕方に終わった。
連絡をする時間もなかったし、向こうからも何もない。

マネージャーの運転する車の後部座席で一人頭を抱えていた。



「あっ!」


「……どうかされました?」



とんでもないことに気づいてしまってつい声に出してしまった。
首をかしげるマネージャーにウトウトして変な夢見てた、と言い訳をしてそれ以上追求されぬよう目を閉じる。

朝は気が動転して理解するのに必死になって忘れてた。

俺、山田に謝ってない。

気まずいけど家に着いたらまず山田に連絡してみよう。
それから、直接会って謝った方がいいよな。
山田の家に行くことを承諾してもらえるかは分からないけど。




ガチャリ


「…はぁぁ……」



ドカッとソファに腰かけて早速スマホを手に取る。
【今朝はごめん。直接謝りたいんだ。今家にいる?】

んー。これで、大丈夫かな……。

警戒されて返事が返ってこないかもしれない不安と今朝の様子にすがって許してくれるんじゃないかという期待。

んんっ、!

送れた……。


あとはどう返事が来るか。
スマホをテーブルに置いて祈る気持ちで見つめた。



それからどのくらい経っただろう。
重い気持ちのせいで実際よりも倍くらい長く感じてる。

応答なしか……。そりゃそうだよな……。

冷水を頭から浴びたい気分だ。
はぁぁ、本日何度目か分からない溜め息と共に立ち上がり風呂場へ向かった。

このままずっと気不味いのかな。
原因を作ったのは自分だけど、今まで積み重ねてきたものが崩れていく。
他のメンバーにまで迷惑をかける。

考えが纏まらなくて冷水を浴び続けた体は冷えきって頭痛がする。
強引に謝罪に出向くことも余計に嫌われるんじゃないかと臆病になり現実から逃げ出すように寝室へ向かった。



「……っ!」



人の形に盛り上がっているベッド。

まさか、と息をのんだ。

ここで寝ているとすれば、今朝残してきた山田しかいない。

◇→←◇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (153 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
391人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:有岡夢莉 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年3月4日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。