イチゴハアマイ JUMP×ym (ページ26)

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ｼｬｰｯ

風呂場から聞こえるシャワーの音。

あれからどんなに思い出そうとしても全然で。
山田の話を頼りにするしかなかった。

酔っぱらった俺が山田を襲った。
それって犯罪だよな？
でも、とくに怒っている様子も怯えている様子もない。

「ふぅー……さっぱりしたぁ」

「お、おう、よかったな」

「大ちゃんも入ってくれば？
あ、このあと仕事あるんだっけ？」

「う、うん。ロケが、ある」

「俺はオフだからもう少しここにいてもいい？」

「それはいいけど……」

「あ、やばいっ……」

急にお腹をおさえて座り込んでしまった山田。
どうしたのかと近づくと突然立ち上がり走り出した。

「山田？！」

あとを追いかけるとﾊﾞﾀﾝｯと大きな音がして中から少し苦しそうな声が聞こえた。

「大丈夫か？」

「……食い過ぎかな…昨日お前のもんまで食べたから腹壊したみたい……」

「なんだ…」

「……俺のことは気にしなくていいから、さっさと風呂済ませば？
マネージャー来ちゃうだろ」

気にするな、と言われても……。
だが、時間がないのも事実。
後ろ髪引かれる思いで山田が籠っている扉の前から退く。
急いで風呂に入って着替えてマネージャーからの電話にいつもならあり得ないスピードで出た。

「俺、もう行くよ」

「んー……」

「……」

腹の調子が一向に良くならなそうな返事だったけど、リビングのテーブルに薬と合鍵だけ置いて仕事へ向かった。