◇ ページ25
何で?!何で?!
何で裸の山田が俺のベッドに寝てるんだ?!
驚いて体を引くとベッドからずり落ちそうになり、己も何も身に付けていないことに気づいた。
「うわっ!……」
「んぅ……ぃ…ちゃん……おはょぉ」
「おはよう。……って、暢気に挨拶してる場合じゃない!!」
「ん〜……うるさぃょぉ…まだ寝ててもいぃ?」
寝惚けているのか今までに見たことがない甘えた顔に呂律も怪しげで俺が捲った布団を肩越しまで引き寄せて再び眠りにつこうとしている。
それを阻止すべく布団を奪い返すと不満だったのか頬を膨らませて怒った。
「んぅ〜なんだよぉ……」
「自分の格好理解してる?服着ようよ!!」
「大ちゃんが脱がせたんじゃん」
「……は?!」
「……人のこと言う前に自分も前隠したら?」
「っ!
……て、何でそんな冷静なんだよ?」
「被害者みたいな顔しないでよ。
どちらかと言うとそれ俺でしょ?」
意味がわからん。
服を脱がせたのは俺で被害者は山田?
ノソノソと起き上がりベッドの上に座ると顔を歪めた。
「あ、腰いてぇ……大ちゃんって意外と凄いのな」
「凄いって?!」
「覚えてないの?」
「山田と飯食ったとこまでは……」
山田に誘われて二人で飲んでて……それから、それから、……
「覚えてないんだ?まあ、大分酔っ払ってたしな。
運ぶの大変だったし、部屋につくなり襲い掛かるんだから」
「まさか、俺、山田と……?」
「……」
「嘘だろ?」
「何、不満?折角抱かせてやったのに」
「だっ?!」
「大ちゃんが抱かせて?って言ったんだよ」
頭が追い付かない。
思いきり鈍器で殴られたような頭痛がする。
飲み過ぎたせいか、この状況のせいか……きっと、どっちもだろうな。
「百歩譲ってそうだとしても、そんな簡単に抱かれていいのかよ?!」
「百歩譲らなくてもそうだし、人を尻軽みたいに言うな」
「だってそうだろ!」
「……ひっでぇの。」
「とにかく、まずは服を着よ!」
「怠くて動きたくねぇ……」
一人回りに脱ぎ散らかされた服の中から下着を身に付けていると山田はベッドの上から動こうとしない。
仕方なく反対側に落ちていた山田の服を一気に投げた。
「ぶっ!……何すんだよ!」
「ボランティアだよ!早く着替えろ」
「分かったけど、その前に風呂借りていい?」
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