明日になれば今日は昨日(ar×ym) ページ24
リアル設定
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ar.side
バタンッ……＿＿＿＿＿
閉じられた扉は光を吸い込むように僕らの時間に終わりを告げた
「さよなら、……またな」
もう二度とその扉が勝手に開くことはない。
だって、もう、この部屋には俺しかいないのだから。
山田が出ていった。
いや、違うか。自分の家に帰っただけ。
元に戻っただけなんだ。
なのにどうしてこんなに寂しいんだ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
メンバー全員でレギュラー番組の収録日。
最近各々が忙しくしていてプライベートで会う時間はなく
とくにドラマ撮影中だった山田に会うのは久々だった。
「大ちゃんこのあと時間ある？」
「用事はないけど」
「久々にご飯食べない？」
「いいよ。他に誰誘う？」
「二人、じゃダメ？」
っ……
顔を覗き込んで窺うような上目遣い。
不覚にも10年以上一緒にいるメンバーにドキッとしてしまった。
「別にいいけど」
「よかったぁ……じゃあ、早速だけど何食べたい？」
.
洒落た店ではなく普通の居酒屋を選んだ。
強いて言えば、個室だけど。
「改めてドラマお疲れ様。乾杯！」
「ありがとう。乾杯！」
わざわざ俺と二人がいいなんて言うのだから何か悩みや相談があるんじゃないかと内心心配している。
山田は昔から抱え込んでしまう性格だから。
「山田？」
「うん……」
「俺は一応年上だし、何かあるなら話聞くよ？」
「ううん。……あ、大ちゃんお代わりする？」
普段と様子の違う山田に心配を通り越して不安になってくる。それを無理矢理聞いても泣かれてしまいそうで聞けず、注がれた酒を一気に飲み干した。
それが、いけなかった。
.
「んぅ……、……」
目が覚めると自分の家の寝室の天井。
時間を確認するとAM9:30
昨日、どうやって帰ってきたんだっけ？
山田と飲んでて……んー、……
考えを巡らせても思い出せず
ま、いいか。と考えるのをやめたとき
＿＿＿＿＿んんぅ……
「っ？！」
誰もいないはずの隣から声が聞こえた。
恐る恐る布団を捲ってみると、少し跳ねた黒い髪に陶器のように白い肌。
それは紛れもなく山田の姿だった。
しかも、真っ白なシーツの上、綺麗な肌が何処までも続いていて体に何の布も身に付けていなかった。
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