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「そんなにすごい人がいるんだ……知らなかった」



知らなくて当然なんだけどね。
でも、そのうち噂を聞くことになるよ。
他校にもファンがいるって話だからね。



「涼介君もうちの高校に入れば分かるよ。超有名人だから」

「僕も同じ高校の一年だよ?」

「……え?中学生じゃないの?」

「……むぅっ」



え、拗ねた?

可愛い……


……俺、この子好きかも……




って!

ふう……落ち着け。何考えてるんだ。


ここはフォローしないと!



「うちの高校だったんだ!
通りで何処かで見たことあるなーって……」



うちの高校の一年の山田涼介……


……?


……ん?



……ヤマダリョウスケ?



「山田涼介……」

「なーに?」



返事したっ!

当たり前か……

いや、そうじゃなくて!



「唯純!」

「何?」

「山田涼介って!山田涼介じゃん!」

「意味分からなくなってるよ」



何故そんな呑気にお盆を運んでこれるんだ!



「嘘だろ?!」

「だから言ったでしょ?完璧な人間なんていないって」

「なんの話?」



首をかしげてるのも可愛いけど!

目の前にいるのが、あの、山田涼介なの?!



「ねーねー!そのすごい人って何て名前?」

「へっ?!あ、いや…名前、何かな……あはは」



言えないだろ?!
それは君のことですなんて!

それにしてもこの姿、やばくねえか?



「姉ちゃんは知らないの?」

「知らなくはないけど、私は有 岡が言うほどすごいと思わないよ。普通の人。」

「じゃあ、先輩が普通以下なんだ!」

「おいおい!」

「んふふっ」



ドクドクッ

急に毒舌なのに笑うと可愛すぎて怒れない。

学校でのキラキラ王子様感ゼロ。
むしろ守ってあげたいと思わせる。

◇→←◇



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作者名:有岡夢莉 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年3月4日 16時

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