◇ ページ22
「そんなにすごい人がいるんだ……知らなかった」
知らなくて当然なんだけどね。
でも、そのうち噂を聞くことになるよ。
他校にもファンがいるって話だからね。
「涼介君もうちの高校に入れば分かるよ。超有名人だから」
「僕も同じ高校の一年だよ?」
「……え?中学生じゃないの?」
「……むぅっ」
え、拗ねた?
可愛い……
……俺、この子好きかも……
って!
ふう……落ち着け。何考えてるんだ。
ここはフォローしないと!
「うちの高校だったんだ!
通りで何処かで見たことあるなーって……」
うちの高校の一年の山田涼介……
……?
……ん?
……ヤマダリョウスケ?
「山田涼介……」
「なーに?」
返事したっ!
当たり前か……
いや、そうじゃなくて!
「唯純!」
「何?」
「山田涼介って!山田涼介じゃん!」
「意味分からなくなってるよ」
何故そんな呑気にお盆を運んでこれるんだ!
「嘘だろ?!」
「だから言ったでしょ?完璧な人間なんていないって」
「なんの話?」
首をかしげてるのも可愛いけど!
目の前にいるのが、あの、山田涼介なの?!
「ねーねー!そのすごい人って何て名前?」
「へっ?!あ、いや…名前、何かな……あはは」
言えないだろ?!
それは君のことですなんて!
それにしてもこの姿、やばくねえか?
「姉ちゃんは知らないの?」
「知らなくはないけど、私は有 岡が言うほどすごいと思わないよ。普通の人。」
「じゃあ、先輩が普通以下なんだ!」
「おいおい!」
「んふふっ」
ドクドクッ
急に毒舌なのに笑うと可愛すぎて怒れない。
学校でのキラキラ王子様感ゼロ。
むしろ守ってあげたいと思わせる。
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