back or front ページ7
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『…どっちも。』
「ははっ、欲張り。」
舌先で頸の模様をなぞる宇髄さんが
1回ではまたすぐに
「いやらしい事、考えてたっしょ？」
私の思考を探る瞳が、欲に
『分かってるくせに。意地悪。』
「かーわい。
でも残念、俺が聞きたかったのはそれじゃない。」
『え…』
ジィ…と音を立てて下されたファスナーと共に、重力の赴くまま落とされたワンピース。
瞬く間に晒されたのは、下着姿の私。
宇髄さんは私の肩から胸、お腹へと指を滑らせた。
「こっちか…」
そしてもう片方の手で背中から腰に沿って人差し指を下に下ろした。
「こっち。
どっちが良いか、聞いてたんだけど？」
意地悪な笑みを貼り付けて、ゾクゾクする視線はそのままに。
『あ…ごめんなさい。』
もう下は、
きっと、絶対に、分かっている筈なのに。
『それなら、横は？』
「あー、肩ね。別に良いよ。」
意地悪しすぎて拗ねちゃった？と小さく笑った宇髄さんには、どんな強がりも通用しなくて、やっぱり従順な女の子でいるのが1番なのだと、早くも後悔の念が心に影を作る。
「じゃ、ここに寝て。
うつ伏せで。楽にしていてくれればすぐ終わる。」
指さされた先には病院の診察台のような、簡易的なソファーのようなベッドのような、大きな長方形。
言われるがまま、うつ伏せに寝そべると、下絵の確認もないまま、作業は始まった。
「これ、外すね。」
少し乱暴に引っ張られたのはブラのホック。
返事をする前に器用に外された。
緊張感が走る身体と、開放感が広がる胸元。
うつ伏せだから、ただ無防備に寝そべるだけ。
やがて、肩にぴりっとした痛みが伝う。
今までのそれよりは、痛みは穏やかだった。
「物足りないっしょ？」
『そんなことは…
ただ、慣れてきただけで。』
針先が肩から肩甲骨へ移動して、そこから脇の下へと進んだ時、私は気の抜けた悲鳴を上げたのだった。
「やっと見れた。俺の欲しい反応。」
あぁ、本当に宇髄さんは、痛みに震える顔が見たいだけなんだ。
純粋にそれを楽しんでいるんだ。
私は、唇を噛んで、宇髄さんがニードルを置くのをひたすらに待った。
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羽糸(プロフ) - みほんぬさん» みほんぬさん、コメントありがとうございます！いつも読んで頂けて光栄です🥺私も天秤の伏線考えた時は1人で鳥肌立ってました(小声)そんな風に言ってもらえて本当に嬉しいです！モチベーション上がりました！！これからも頑張ります！！ (2021年12月9日 7時) (
レス) id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
羽糸(プロフ) - ひよさん» ひよちゃん、ありがとう！！(∞回目)本編のヒントが少なすぎました…(反省)彫り師天元…設定も内容も万人受けではないことを覚悟していたのだけど、そんな風に言ってもらえて本当に嬉しい…😭😭新作はまだ予定の段階ですが、、頑張ります！！！ (2021年12月9日 7時) (レス) id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
羽糸(プロフ) - ろろろーさん» はじめまして！！コメント頂きありがとうございます！！天秤のくだりでピンとくるなんて、すごいですね😳😳私は既に短編の方も読んで頂けていたことに感激しております…！！嬉しいお言葉本当にありがとうございます！！ (2021年12月9日 7時) (レス) id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
羽糸(プロフ) - あさひゆうひさん» あさひちゃん！すぐ読みに来てくれて本当にありがとう🥺もう1回読んでくれたところに愛を感じる…！！そうだね、杏寿郎まっすぐだからね〜。伏線、本編ではほぼ触れてないし、ヒント無さすぎた(笑)あさひちゃんとならいくらでも乾杯するよ🍻 (2021年12月9日 7時) (レス) id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
みほんぬ(プロフ) - 毎度読ませていただいております。完結お疲れ様でした！天秤のお話が繋がった瞬間鳥肌ぶふぁーでした！羽糸様、これからも楽しみに待っておりますので、羽糸様のペースで頑張って下さい！素晴らしい作品読ませていただきありがとうございます！ (2021年12月8日 12時) (レス) @page22 id: fcebcd2438 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽糸 | 作成日時：2021年12月3日 20時
