愛されきしくん

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｢...は、...は、｣





ベッドの上、目を閉じながら自分のモノを扱く事に集中する岸くんは誰にも見せたくないくらいに淫ら。






｢岸くん、こっち向いて｣





近付いて俺が声を掛ければ、素直に薄目を開けて俺をじっと見上げる。その瞳でさえ欲 情に支配されていた。






｢そんなぬるい動かし方でほんとにイケんの？｣






｢んぁ、｣






きっともうすぐにイキたい筈なのにゆるーく扱くだけの岸くんの手に俺の手を添え、もっと早く手を動かしてあげる。







｢や...だ、イワゲンので、イキ、たい｣






息が絶え絶えの中、岸くんの言葉に思わず手を止めてしまった。...だって、え？






驚いて固まったままの俺の首に手をかけ、岸くんは唇を重ねてくる。







最初の頃はぎこちなかった癖に、段々キスが上手くなっていった岸くん。...それは多分、他の奴らともしてるからだろう。






神宮寺に紫耀、廉、海人だって。勿論、俺だって。






思い返してムカついた俺は岸くんの唇を少しだけ力を入れて噛む。岸くんは怯んだように俺から離れ、上目遣いで俺を見つめた。







｢ねえ岸くん｣






俺だけのものになってよ、なんて何回も言いかけては飲み込んだ。岸くんがこの中の誰かを選ぶなんて出来ないんだよ、それは岸くんの優しさであり狡さでも有る。...だから






｢今だけはちゃんと、俺を見て｣






聞こえるか聞こえないかくらいの音量、岸くんは俺のそんな言葉に息を飲んで、それから頷いた。






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