愛されきしくん

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｢おーいらっしゃい、海人。急にごめんな？｣







｢お邪魔しまーす、これ良かったら食べて？｣







簡単な菓子折りの紙袋を岸くんに手渡し、家に上がらせて貰う。岸くんの家は一人暮らし。だからそう、二人きりって事で俺は滅茶苦茶緊張していた。






｢なんか飲み物用意するからさ、先寛いどいてよ｣






｢あ、はーい｣





こういう時ジンとかなら俺も手伝うよ、ってサラッとかっこよく出来るんだろうな。なんてメンバーに対しても劣等感を抱いてしまう。...今日はそれ抜きで、岸くんとの時間を楽しもう、うん。






通されたリビングに有るソファに座って岸くんを待つ事数分、湯気の立ったマグカップを2つ持って岸くんが俺の隣に座った。






｢ココア入れたけど多分熱いから冷ます？｣






｢うん、冷ます。ありがとう、岸くん｣






普段はおバカな癖にこういう所で気遣い発揮するのは本当に狡いと思う。余計、好きになっちゃうじゃん。.......というか。






｢ねえ、今日はなんで俺を呼んだの？｣







｢え？.....ああ、ちょっと海人が元気無さそうだったから気になって｣








｢何なの、それ｣







悩んでる理由は、目の前の君なのに。







｢海人？｣






岸くんが俺の顔を覗き込み、あの吸い込まれそうな瞳と目が合う。もう、駄目だと思った。







｢岸くん、好きだよ｣








有無を言わせず、接吻。







後悔？...してない。








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