【KZ】君と付き合うまでの十秒間 part．翼 (ページ3)

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君と付き合うまであと　8秒ページ3

美門side

翌朝、俺は学校に行く事を少し楽しみにしていた。

理由は2つ。

1つ目、学校で友達が出来たから。

何回も何回も転勤している俺にとって、友達が出来る事は、結構

嬉しい事なんだ

しかも、出会い方が珍し過ぎるよね…。

俺にぶつかりそうだった男子の友達とこんな感じで友達になるって…

まぁ、友達が出来るだけで嬉しいんだけど。

2つ目、昨日の女の子に会えるから。

まだ、完璧に会えると決まったわけではないけど、黒木とか、

結構コネが使えそうなやつだって思ったし、制服の特徴を伝えれば、

どこの学校か分かるかもしれないから何だけど。

………てか、何で俺は、1人の女の子のことで、こんなに真剣になっているの？

今まで、女子は、皆ウザイやつだ。って決めつけてたけど、案外そんな事は

無いのかもしれない。

不思議な感じ。

ピピピピ

あ、アラーム。

って！

これさ、まさかだけど、昨日と同じ状況になるやつか？

マジかッ！

いつの日かみたいに、大急ぎで準備し、全力で駅まで。

その女の子は、今日も桜の木を見上げてた。

はぁ、もし時間があれば、話しかけたかったんだけどなぁ。

少々時間を恨みながら、仕方なく電車に乗る。

平日の電車は、サラリーマンとか、学生とか、色々混み合ってるから、

色んな匂いが混じり合うんだよね…。

普通の人は、別に鼻が特別良いってわけでも無いし、匂いの事も

あんまり気にしないかもしれないけど、俺にしては最悪なこと。

早く着いてくれないかなぁ。

電車に揺られる事10分。

ようやく、目的の駅へ。

電車の席を立ち、ドアに向かって歩き出す。

そして、駅に出た頃は、制服が同じで、きっと同じ所に行くであろう、

男子達が、「開成」まで歩く。

開成に向かいながら、昨日の男子達───黒木達の事を思い出す。

…個性が強い奴らだなぁ。

改めて、昨日の事を振り返って見ると、俺はそう思った。

すると……

ドンッ！！

後ろから、肩を叩かれた。

少し驚き、後ろを振り返ると…

昨日のチビ──若武がいた。

噂をすれば影ってやつかぁ。

別に、匂いで分かってたけど、マスクしてたから、曖昧だったんだよなぁ。

美「あ、若武…だっけ？おはよ。」

若「美門だろ？てか、もっと驚けよ！！」

驚け！って言われたってなぁ。

別にもう少し、気配を無くすとか出来ないのかな？