【KZ】君と付き合うまでの十秒間 part．翼

君と付き合うまであと　1秒 ページ10

美門side









今は、駅に向かって歩いてる所。






駅前のカフェで待ち合わせしてるんだよね。








…向かってる最中も、若武の言葉が頭をよぎる。







“ アタック忘れんなよ！ ”








アタッ…ク…か。






彩「あっ、翼！」





美「あ、アーヤ。」









一瞬、ドキッってした。




今までは、皆から『ツバサ』って言われてた。




アーヤは、俺の名前をしっかり…『たすく』って呼んでくれたんだ。









.









彩「翼？」





美「あ、ううん。行こっか。」





彩「どこ行くの？」





美「んー？ とっておきの場所♪」






彩「えー？ 気になる！」









.







子供のような無邪気な笑顔のアーヤ。


…その笑顔が俺を可笑しくするんだ。









.









美「よし、着いたね。」









彩「ここなの…？」









.





駅から30分。

タクシーに乗って来たのは、橙色にピカピカ輝いている海。









美「そ。ここだよ。」









.









美「少し、前行こっか。」






俺が提案する。




彩「うん！」









.









海に近づくが、もう夕方な為、あんまり近づくと危ない。







美「この辺にしよっか。」



彩「そうだね。」









.








浜辺に座ると、俺らの間に沈黙が流れる。









.









先に口を開いたのはアーヤの方だった。

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