恋、始めまして『染谷勇次郎』

さんじゅうなな、、 ページ43

勇「ん、いける」




貴「はぁぁ〜....よかった...」









泣きはらした勇次郎は目を冷やしながら私の作ったホットケーキを口に運んでいた





泣いた直後なのですっごくちまちま食べているけどなんか可愛い。餌付けしてるみたいで









貴「んふふー。実はねホットケーキ成功したのはじめてなんだ」




勇「ふーん、よかったじゃん。じゃあ次はガトーショコラ頑張れ」





貴「あれ、初心者におすすめするような代物ではないね。何故？」




勇「好きだから」




貴「よっしゃあああ！！！頑張ろうかなあ！！！」









やる気がみなぎってくる....！！こうして、お菓子を本当に練習しようと思った始まりの瞬間が、今である







鼻歌を歌いながら足を揺らしていると食べ終わったらしい勇次郎




お皿を片付けようとキッチンに向かうと突然腕を捕まれる





貴「わ、とと...」








重力に従って傾いた体は勇次郎の腕によって受け止められる




その際に手から滑り落ちたお皿はなんと勇次郎がキャッチしていた。むむ、ぬかりないな







勇「......そんなのいいから。ねえ、部屋行こ？」









部屋！何処を嗅いでも勇次郎の香りが鼻孔を満たすあの素晴らしい部屋！





Aの目の中にいくつもの星が浮かんで揺れているのを不思議そうに勇次郎は見つめていた









貴「.......イキマス」





勇「......ごめんちよっと引っ張って」





貴「え、何で」





勇「寝過ぎで体動かない」









こりゃあ、夜寝ないぞこの子。
そう思いながら両腕で勇次郎を引っ張る






おお、割と軽いぞこのダーリン









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勇「膝枕しなかったら怒るから」





貴「何その可愛いおねだり」









部屋に到着して、ベッドに座って向き合うと第一声がこれだ



今日は強引だな勇次郎









しゃーねえ、と息をはくと正座をする





と、勇次郎がすかさずダイブしてきた。下を向くと勇次郎の整った横顔が見えて
ああ、かっこいいな。なんて









きょろきょろと部屋を見渡してみるとCDの並べてある棚が視界に入る


うわ、いっぱいあるぅ.....




ならべられているCDを暫く目で追っているとあるものが目に留まって「はわっ！？」という奇声が喉から溢れた









あまりにも驚きすぎたので思わず膝立ちなってしまった。なので転がり落ちた勇次郎が驚いた眼差しで私を見つめる









勇「なっ、何？急に.....びびった.....」





貴「あ...あれ.....あれ！」

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