恋、始めまして『染谷勇次郎』

てん ページ11

貴「ゆ¨うじろぉぉ〜！！！」





勇「うわああ！！！？」









ついさっきまで夢の中にいたであろう勇次郎に抱きつく




彼は寝起きからなのか涙全開でピーピー抱きついてきた私を前にしてなのか目を真ん丸にしていた





寝起き特有の顔をして









勇「.......びびった.....急に.......。何、怖い夢でも見た？」





貴「げんじづだよ！！......う¨ぅ.....ﾋｯｸ.........ふぅ.....」





勇「........よしよし」









状況を掴めていないようだけど抱き締めてくれる勇次郎が優しい.....









暫くして涙が枯れてきた頃、彼は私に
ちゅ、と触れるだけのキスを落として顔を覗きこんできた






勇「どうしたの？」




貴「ん......ｸﾞｽｯ....あのね....変な音が聞こえてきたから......見に行ってみたらね.......変なのがあって.....」









ぽつりぽつりと語ると勇次郎は息をひとつ吐く








勇「何で起こさなかったの？暗いの苦手なくせに！」




貴「あうう.....すんません.....」









起こしちゃ駄目かなって思って...と言うと照れた。なんだそりゃ









もう一度勇次郎の胸板に顔を埋めると。とんとん、と肩を叩かれて顔をあげる






勇「もしかして、変な影ってあれのこと言ってる？」






貴「.....！！え！来てんの！？やだやだ怖いいい！！！」






勇「うわっと......いや、怖いっていうか.........可愛いけど」






貴「可愛いですって！？勇次郎！！いつの間に幽霊に愛がわくようになったの！！？」







勇「いや.....あれ.........









　 猫....だけど」









貴「.......ね？.....なんだって...」









そっと振り向くと









「ﾆｬｰ」









.









..........え？









貴「.......影って......猫？」






勇「ﾌﾞﾊｯ......！！」

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