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壮「家から逃げる為･･･？」
紡「うん。壮馬くんは覚えてる？私が名前で呼んでって言った時のこと」
壮「うん。覚えてるよ」
紡「私、家が嫌いなんだ。だから、苗字で呼ばれるのが嫌だった。親に勝手に人生を決められて。その時に助けてくれたのが、兄さんのピアノだった。初めて、世界が変わった気がしたんだ」
紡「私、まだ17歳だけど、これでもアメリカの大学卒業してるし」
壮「大学！？」
壮馬くんの声は電話越しだけど、いつもと変わらない。
驚いた表情も目に浮かんでくる。
紡「うん。これも全部、親が言ったことなんだ。兄さんも無理矢理、家を継げって言われてる。私はそれが嫌で、父さんでも口出しできない芸能界に入ったんだ」
壮「･････そういうことだったんだ」
紡「うん････」
私がそう言ってから、沈黙になる。
その沈黙を破ったのは、壮馬くんの方だった。
壮「･････あのさ、今、家に行っていい？」
紡「･･･････え？」
壮「伝えたいことがあるんだけど･･･」
紡「･･･いいよ」
そう返事すると、すぐに、電話が切れた。
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20分後
壮馬くんが来た。
すると、壮馬くんは私に向き合った。
壮「紡祈ちゃん。俺は紡祈ちゃんに救われたんだ。本当に小さな偶然だったけど、それは、奇跡だったんだ」
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壮「人を好きになる奇跡を紡祈ちゃんがくれたんだ。
──だから、付き合って下さい」
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作者名：藍花 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3c8fc251461/
作成日時：2018年7月20日 14時
