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第42話 ページ43

【如月 直】(くろーさぎ)

あーあ、やだなぁ、こういうギスギスしたのは大嫌いなんだ。だって、誰も何も得ないからね。

「根音さん」

床にしゃがんで何かを描いていたその後ろ姿に、おれはそっと話しかけた。

「何を描いてるの?」

返事がないのを了承と判断し、おれはそのノートを覗き込む。

何か黒いモノと白いモノ。何だろう、とおれは首をかしげたが、彼女が言っていた事から、すぐに何なのか分かった。

「……妹、さん?」

根音さんはおれと顔を合わせないまま、こくんと小さく頷いた。

(……そっか。愛する妹がいなくなったら、きっと寂しいだろうな……)

人間ってそういうものだ。心の支えにしてた人がいなくなれば、簡単に生きる意味を失う。
それが分かってるから、出来ればおれが皆の“生きる意味”というのになってあげたかったんだけど。

この人は無理そうだな、何をしてでも死ぬつもりだ、と判断したおれは、根音さんの背中に、囁きかけた。

「……ねぇ、根音さん。死にたいんだよね?」

根音さんはちらりとこちらに目をやった。案の定反応してくれている。

「だったら、良い方法があるよ」

これ、使ってよ――おれが根音さんに渡したのは黒光りする拳銃。

映画なんかでよく見る、拳銃自 殺というやつさ。これなら鮮血で綺麗なアートも出来るし、楽に死ねるだろ?

おれのその囁きに、根音さんは一瞬戸惑いを浮かべたが、すぐに頷いて受け取ってくれた。

――盗っておいて正解だったな。

「皆は君が死ぬのを止めようとしているみたいだけど、死んでしまえばこっちのものさ。……行ってらっしゃい」

おれは、皆の輪に向かう根音さんを笑顔で見送った。

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葡萄ゆづゆ(プロフ) - 続編作るので少々お待ちください! (2019年5月24日 5時) (レス) id: 558c917974 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - メモ欄にメモを残しておきました。更新時に書くのを忘れていたので! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - と思ったら続編に続いちゃうので制作者様が作るまで待ちます… (2019年5月21日 17時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - 更新します! (2019年5月21日 17時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
ヨミ紅蓮(プロフ) - お蜜柑食べたいさん» 修正どうぞー (2019年5月21日 12時) (レス) id: ee2faa79c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青少年心情行動観察実験許可法被験者一同 x他2人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年5月2日 9時

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