「暗殺者」から「護る側」へと

第５話 ページ8

私はユキナの首を狙った。

ーやっぱり駄目だー

刺さる寸前で止めた。

刀を下ろす。

「あらぁ、止めるのぉ?じゃぁ逃げてまたつくろうかなぁ?」

「何でなの?!ユキナ何してんの?人助けするのが夢なんじゃないの?!」

「・・・い」

「何?」

「うるさい!そんなガキの頃の事なんてすっかり忘れたわ!!」

こんなに怖いユキナは初めて見た。

ユキナはポケットからナイフを取り出した。

「逆に、アタシがアンタを殺したらすごいよねぇ。

　殺し屋が死ぬなんてぇ。面白いわぁ」

「・・・できるのならなればいい。私は死なないから」

これ、殺さなきゃいけないのか。

友達殺すなんて、最悪最低だな。

刀を持ち、心臓のすぐ横を刺した。

ユキナはバタンと糸を切られたマリオネットのように倒れた。

「じゃあね。もう会えなくなったね」

最期の別れがこれか。

ユキナに背を向け、研究室を後にした。

「・・・ごめん、本当にごめん」



「サナエ！」



あの声をまた聞きたい。

バイバイ。

空は朝焼けで赤くなっていた。

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