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無口9 ページ10






任務が終わり高専に帰ると、棘くんが花に水をやっていた
その隣に行き花を近くで見るためにしゃがんだ



棘「こんぶ〜」


『…(待ってくれ、、ご機嫌じゃないか君。可愛い)』



こんなに可愛い子に水を貰えるなんて、羨ましいな花達


優しいのは君だね棘くん


私は立ち上がって棘くんを見た



『もうそろそろ練習始まるんじゃないか?』


棘「しゃけ、明太子〜」



一緒に行こうと手を握って引いてくる棘くん
え、手ぇ柔らかっ…


ちっちゃい(自分がデカい)し可愛いし
本当に私がこの子に触っていいのか?うへへへぇ


少し前で私の手を握っている棘くんの隣に行った
すると手をにぎにぎと観察されている


どうすればいいんだ
赤ちゃんみたいで可愛い、なんか…母性本能が……!



棘「いくら、おかか?」



猫手で戦うことが多い私の指先にはタコがある
目だけでなく手も乾燥していて色んな傷も多い
それを心配してくれているみたいだ


タコって凧とか蛸とかあるよな…同音異義語って言うんだろこういうの。私知ってる()



『大丈夫だよ(心配してくれてありがとう、優しい子だね君は。飴ちゃんあげようね)』


棘「たっかなー」



レッツゴーと進んで行き、グラウンドについた



真希「棘、お前…」


パ「大丈夫か棘」



そんなに怖がらなくても…



憂太「あ、雪乃波さん!」


『よう(笑顔が眩しい助けて、、目が、目がー!
こりゃあ里香さんが落ちる訳だ)』


パ「(何があったんだ?)」



私はあまり練習に手を出さないので、遠いけどまあまあ近く(?)で練習を眺めている


体術は主にとうちゃんが担当する
もし違う未来だとしたら、体術担当は夏油だったのかな
それは無いか


携帯を起動させて写真をスクロールした
資料の写真、報告書の写真を長いことスクロールして、学生時代の写真に辿り着いた


その中の1枚を探す
五条、夏油、硝子が3人で笑っている写真
夏油がいる写真で残しているのはそれだけだ


座っている膝に肘を置き頬杖をついた


あの子が私や五条達の前で見せた笑顔は全て本物にはなれなかったのだろうか


携帯と練習風景を交互に見合わせる


いかんいかん、最近歳を重ねたせいか想い出に浸ることが多くなってきた
写真を閉じようとするととうちゃんが後ろに来た



甚爾「あ」


『何だよ』


甚爾「、まだ写真持ってんだな」


『まぁな』


甚爾「…乙骨が呪力操作教えろって」



携帯を寝かせて憂太くんの所へ向かった




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作者名:鷲わし | 作成日時:2022年2月13日 23時

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