【呪術廻戦】無口でクールな先輩、 (ページ14)

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無口１３ページ14

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悟「なぁ嶺凰！！」

『どうした』

ここまで切羽詰まった五条は、今まで見たことがなかった

私の両肩を掴んで涙目で聞いてきた
その悲痛な表情は、フライパンについた油のように今でも頭にこべりついている

悟「傑が一般人殺して、どっか行ったって…嘘だよな？すぐ帰ってくるって、簡単な任務だった筈なのに」

『夏油が？…探しに行く』

悟「俺もついて行く」

『五条は高専で待ってろ』

悟「は！？何で」

心の底では分かっていた
夏油は限界だった、逃げ場を失っていたと

けれど夏油は五条には言えなかった
五条が夏油のたった一人の親友だったからだ

その関係が崩れるのを恐れていた
どちらにせよ、夏油からすれば崩れたも同然だろうが

私は、五条に嘘をついた
普段通りの目を向けて言った

『…夏油が帰ってきた時に五条がいなかったら心配するだろ』

悟「っ、…分かった」

五条は嘘に気づいていたのかもしれない
けれど私に着いてくることは無かった

旧■■村へ赴いた
夏油の最後の任務場所

確かに夏油の残穢と、そこの村人のものであろう血の跡があった

『…高専の釦』

拾い上げ形が歪むほど握り締めた

座敷牢の中には2つの残穢
そこから導き出されるのは、非術師が呪術師をこの中へ閉じ込めていた

地図に載ってないようなこの村で、誰にも知られず酷い扱いを受けていたんだろう

きっとそれを見た夏油が…

私にとって考察するのは簡単な話だった
信じられるかは別として

可能性が高いのは矢張り夏油が離反したという答え
何処へ行ったんだ

式神を出して探させた
私は路地裏やホテル、色々な店などを探し尽くした

探し回った日の夜中頃に後ろから声をかけられた

傑「嶺凰さん…？」

『…夏油』

紛れもなく夏油だった
聞きたいことは山ほどあるが、口から何も出てこなかった

涙は出そうに無かったが、何故か衝動が抑えられず夏油を抱き締めていた

夏油は何も言わなかったし、私に触れることもなかった
ただ泣きそうな困った顔で固まっていた

傑「私を殺さないんですか？貴方なら簡単に殺せる」

『夏油は本当に困った後輩だ、、私に大切な後輩を殺せと言って出来ると思ってるのか？』

傑「…ごめんなさい」

『ちゃんと食べろよ、、
今から5秒以内に踵を返して去れ』

夏油は闇の中に消えた
私は不甲斐なさを背負って高専に帰った

呪霊を祓って呪霊の残穢と呪力に染まりながら

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