【ⅾ!】あなたの人生を歩みます。Ⅰ (ページ24)

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王子が確実に寝たのを確認してから引き出しを開けて書類を確認する。

そこには目を疑うようなことがたくさん記載してあった。

1．国王とそしての即位について

エレノア家長女であるAを嫁に向かいいれることで父上や王族を黙らせ、即位について有利に働く。

なお、Aには毎晩の薬の投与により判断能力の低下や思考能力の低下など順調な反応が見られている。薬を1日2回に増やすことでさらなる思考的支配が可能になる。

2．薬について
ルミエール国の特産物である花を品種改良していくつかの薬を制作。
軍には力の強化と国への愛国心を高める薬を提供し軍事力を高めていく。

また敵国へ使う兵器作成のために薬学に特化した人に協力を依頼。

3．鎖国について
国全体に【スズランの薬】を散布するために鎖国を実施。この薬には幻覚作用を多くもたらし、他人の影響を受けやすくなる。
薬を使用したさらなる支配的国家を目指し、日々改良を続ける。

父上にはすでに投与済み。

エレノア家のメイド1人にも投与済み。

いずれも経過は良好である。

Aの両親については協力してくれた分の報酬を渡す。

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頭を殴られた感覚に陥った。

「(そういうことか･･･だから鎖国やら、なんやら…)」

ここ1週間城にこもりっぱなしだったが、国王の姿を一度も見ていない。この【スズランの薬】がどれくらいの効力を持っているかわからないが、すでにその思考を支配しているのならばこのように王子が好き勝手できるのにも納得がいく。

「(薬で思想的支配国家を作り上げるつもりか、コイツ…)」

もうすでに国民への散布は行われているので多少影響はではじめているかもしれない。
A様も同じや。あのよく眠れる薬はまた別の影響を彼女に及ぼしているのだろう。そのうち頭の中まで支配してしまうのではないだろうか。

「(っ･･･早くグルッペンに報告せんと…)」

そう考えるもゾムの足取りは重い。

この1週間ただ潜入していただけだったが、つらそうなA様を見ているからこそ1人でおいていくことの不安が大きかった。

くっそ･･･。

早く帰って絶対助けに来るからな･･･

絶対来るから

それまで死なないで待っててくれや。

ゾムはそう願い城を後にした。