トキをみる者は知っている (ページ10)

今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:23,414 hit

一通の手紙ページ10

それから学校がまた、
つまらないものに変わった。

というか、嫌がらせ的なものまで始まった。

『いってきまぁす』

重い足取りで玄関を出た瞬間に見える光景。

どうやら神様は私を心配して、
どんな嫌がらせを受けるか事前に分かるように
してくれているようだ。

今日は、、、

頭に水、か。

めんどくさいなぁ。

『おかぁさーん折りたたみ傘持ってくー！』

今日1日晴れるけど？

と不思議そうな顔をするお母さんは、
何も知らない。

学校に着く。

そして靴箱から出てくるのは、
大量のゴミ。

このゴミ捨てるの、めんどくさいんだよなぁ。

なんて思いながら開けると、
案の定、たっぷりと入っていた。

『あれ？』

ゴミの中に埋もれて、一通の手紙が
入っていた。

可愛らしい感じの封筒。

女子からだろうか。

でも、心当たりが、、、？

彩「おはよう！A！」

あ、彩が来てたの気づかなかった！

慌てて背中に手紙を隠し、
笑顔で挨拶。

『お、おはよ！彩！』

嫌がらせのこと、まだ彩には言ってない。

心配、かけられないもん！

そのまま私はいつものように半日を過ごし、
休み時間を迎えた。

ずっと気になっていた手紙の中身。

すぐにトイレに駆け込んで、確認する。

そこに書かれていたのは、、、

『うそ、、』

言葉が出ないほど驚いた。

ショックを受けた。

誰が、こんなこと、、、

その時。

「せーの！」

あの女子軍の声が聞こえた。

慌てて私は傘を開く。

バッシャーン

ふぅ、間に合った。

間一髪。手紙も私も無事。

何やってんだろ、私。

せっかく神様が教えてくれてたのにさ。

傘の水気を払いながら個室から出ると、
女子軍は明らかに不満そうな顔をした。

いつもはその顔に少なからず傷つくけど、
今は違う。

そんな場合じゃない。

もしかしたら、もしかしたら、、、

底知れない恐怖が私を襲う。

彩に、相談しよう。

そう、決心した。

もう相談できる相手は、彩しかいなかった。