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授業が終わり、すっかり暗くなった頃
私は受験B教室にて 教材をしまっていた。
受験Bにはまだ塾生がチラホラと残っている。
私は、あの事件の事でまだ少し気が重い。
鞄を握って外に出ようと、
靴箱へと向かう。
はあ……、
心の中でため息を付きながら外に出る。
肌寒い風が頬を擽る。
私は早く帰ろうと、足早に秀明を出る。
「アーヤ、」
肩に誰かの手が乗り、
ピタッ、と歩く足を止めて
私は後ろを振り向いた。
そこにいたのは、KZの皆で……
なぜか皆苦笑している。
「アーヤ、何回名前呼んでも気付かないから」
「え?」
全く気付かなかった……、
私は ごめんね と、皆に謝る。
「それで、どうしたの、皆?」
「危ないからね、送ってくよ。」
「さっ、行くぞ!」
有無を言わせず、
前を歩いていく皆を私は追いかける。
「アーヤ、寒そうだけど 大丈夫?」
小塚くんが、気づいたのか小声で聞いてくる。
「少し寒いだけ、大丈夫だよ。」
「そっか、
でも、風引かないようにね。」
「ありがとう 小塚くん。」
気をきかせてくれる小塚くん。
私はニッコリと笑ってお礼を言う。
そんなとき、
翼が口を開いた。
「そういえばだけど、
この前の菊地とは どうなった?」
その翼の言葉が聞こえたのか皆の視線が私に集まった。
「………どうなったって言われても、
ついこの前一緒に帰ったりしたくらいだけど…」
私がそういうと、
皆口々に言葉を開いた。
「一緒に ねぇ……」
「どうするよ、若武先生、」
「穏やかにいこうね、皆。」
何か意味が読めない事を話している。
若武は、一瞬黙ってから いった。
「アーヤは、そいつのことが 好きなのか?」
…………………
シーンと静まったこの場。
私は、若武のその言葉に固まった。
なぜか皆も。
「どうなんだ?
アーヤ。」
そう、若武が言葉をついだ時、
「あれ?
もしかして、先輩?」
………どうすれば良いんだろう、と
私は心から思った。
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Trace(プロフ) - アヤノさん» ありがとうございます。今の所、考えてはないのですが、そう言ってもらえると嬉しいです* 頑張ります! (2017年1月6日 21時) (レス) id: 792a649ac0 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ - この作品の、続編とか出ないでしょうか。また、新作楽しみにしています。 (2017年1月5日 17時) (レス) id: c68f5a1f6e (このIDを非表示/違反報告)
白亜兼Trace(プロフ) - いー♪さん» ありがとうです!新作頑張ります! (2016年4月16日 11時) (レス) id: 24e77774db (このIDを非表示/違反報告)
いー♪ - 完結おめでと♪ サイコーだった♪ 新作、楽しみにしています( ̄^ ̄)ゞ (2016年4月16日 6時) (レス) id: 1f232b45f6 (このIDを非表示/違反報告)
白亜兼Trace(プロフ) - 如空さん» モカ、ありがとう! 大好きだなんて恐れ多いよっ!嬉しい^^ 新作、パロディが終えたら公開できるよう頑張るね!まずはパロディ、、、笑 本当にありがとう! (2016年4月15日 23時) (レス) id: 24e77774db (このIDを非表示/違反報告)
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