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「ある日俺は、部活の外周で外を走ってたんです。


それで、
外周コースの途中に公園があるんですよ。





普通に通り過ぎようとしたんですけどね。





見ちゃったんですよ、






公園の中で 泣いてる女の子の頭を撫でる先輩を。





どうしたんだろう、と 見てたら その女の子の膝が血で汚れていて……





先輩はオロオロしながらも、その子に 大丈夫って 落ち着かせようとしてる声が聞こえたんです。





その時俺、かっこいい って思ったんですよ。





そして、その女の子がやっとの事で泣き止むと先輩はその子に笑いかけてて。


その笑顔が、俺は忘れられなかったんです。





それから俺は、先輩の事を良く考えるようになっちゃってて。


あの時先輩、浜田の制服来てたんすよね。







同じ学校だ、でも 同期にはいない……


先輩かな、って思ったんです。







会いたいな、何て考えてました。


そしたら、会えたんですよ。先輩に。








俺がたまたま移動教室で、廊下を歩いていたとき 手に持ってた教科書やらを落としちゃって……



慌ててそれを拾ってたら、横から手がのびて。

誰だろうと見てみると、
俺に拾ってくれた教科書を差し出してくれるあの時の先輩だったんです。







それから俺はますます先輩の事考えるようになってて。









……俺、きっと先輩の笑顔に一目惚れしてたんですよ。






告白して 振られた時はかなしかったっすけど、

今は良かったって思うんです。







だって、先輩に告白してなかったら こうやって一緒に帰ってなかったでしょ?









今俺、凄く幸せなんです。



ありがとうございます、先輩」









そこまで言い終えた聡くんは、ニコッと微笑む。




私は今聡くんの口から出された言葉に、胸が熱くなった。



前に、公園で転んだ女の子がいたことは 覚えてる。






けど、その後の廊下でのことは覚えてない…


聡くんは、私を見ていてくれてたのに、覚えてない私って……









そんな私は顔に出ていたのか、




「良いんですよ、先輩。


俺は、今が幸せって言ったじゃないですか。」




聡くんは、優しい言葉を述べてくれる。






「俺、言いましたけど、諦めませんから、先輩の事。

だから、覚悟しててください。」








そして、これからもよろしくお願いします、
と 差し出された手を、

私は自分の手で握り返した。

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Trace(プロフ) - アヤノさん» ありがとうございます。今の所、考えてはないのですが、そう言ってもらえると嬉しいです* 頑張ります! (2017年1月6日 21時) (レス) id: 792a649ac0 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ - この作品の、続編とか出ないでしょうか。また、新作楽しみにしています。 (2017年1月5日 17時) (レス) id: c68f5a1f6e (このIDを非表示/違反報告)
白亜兼Trace(プロフ) - いー♪さん» ありがとうです!新作頑張ります! (2016年4月16日 11時) (レス) id: 24e77774db (このIDを非表示/違反報告)
いー♪ - 完結おめでと♪ サイコーだった♪ 新作、楽しみにしています( ̄^ ̄)ゞ (2016年4月16日 6時) (レス) id: 1f232b45f6 (このIDを非表示/違反報告)
白亜兼Trace(プロフ) - 如空さん» モカ、ありがとう! 大好きだなんて恐れ多いよっ!嬉しい^^ 新作、パロディが終えたら公開できるよう頑張るね!まずはパロディ、、、笑 本当にありがとう! (2016年4月15日 23時) (レス) id: 24e77774db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白亜兼Trace | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年3月21日 1時

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