続＊突然恋愛 ページ25
「んじゃ、行ってくるわ！」
さらさらした髪を揺らして、幸埜は走っていった。星降に告白をしに。
「宵一ぃ」
「なぁに〜ぃ？」
「……いや、やっぱりなんでもない」
お土産見に行かない？ と誘ってみようと思ったが、いくらおさななじみだからって男女二人だけで行くのは変だよなと思い直して、やめたのだ。
「宵一。あたしお土産みてくるから、喜多と待ってて」
「それじゃあボクも行こうかな〜」
「えっ？ 来なくていいよ！ あんたいるとうるさくてしょーがない！」
本当は、宵一もいたほうが安心するけど。
他のクラスメートに二人でいるところを見られたら。
私はどうすることもできない。
「お、これかわいい」
限定発売のストラップを手にとって、ひとり呟く。このお土産屋さんには同じ学校の人はいない。しかも全然人がいないので静かで、ゆっくり見られる。
「サッカーボール……宵一、好きそう」
マスコットキャラクターの手にあるサッカーボールを見て、逐一あいつを思い出す。そんな自分がおかしかったけど、宵一を思い出すのはなんかいい気分だった。
両親や親族へのお土産の買い物が終わり、時間を確認すると幸埜と落ち合う約束をした時間の十分前になっていたので、喜多たちがいる場所へ向かう。
観光地であるだけに、ただの街角の一角だけでも絵になるような景色だ。けっこう好き。
こんないいところに好きな人と来れたら幸せなんだろうなぁ、幸埜はいいなぁ、と思いながら足をせっせと動かす。
「――だから、――ねぇ。 嫌いな――いんだけど」
突然聞き慣れた声が聞こえてきて、横を見る。
この声は。
「宵一？」
女の子と宵一が向かい合ってなにかを話し込んでいる。知らない女の子。でも同じ学校の子みたいだから、同学年なんだろう。
「じゃ〜、――！」
手を振って別れる二人。
なんか、いい雰囲気っぽい……。もしかして、告白？ どっちから？ ……笑顔なのは宵一のほう。
「あっ、Aだ！ お土産見終わったぁ？」
こっちに気が付いて、さっきの女の子に向けたのと同じ笑顔で私を呼んだ。
「うん」
「何買ったの？ あ、もうすぐ星降たち帰ってくるねぇ。あとで見せてよぉ！ ほらぁ、もー行こぉ」
そう言って宵一は私の背中をぐいぐいと押す。
街の景色は走っていても綺麗に見えるから不思議。
こんなもやもやしたなにかを感じたのは、はじめてだった。
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御津(プロフ) - 棗野 ｡さん» あの、すいません。最近めっきり更新をなさっていない様なのですが、大丈夫でしょうか？受験で忙しいであろう所こんな書き込みをしてすいません…早めの返信、お待ちしてます… (2016年10月24日 13時) (
レス) id: cf5df0bfea (このIDを非表示/違反報告)
ラハル - どのお話もとてもおもしろかったです！私は切ないお話を書くのが苦手なのでうらやましいです！！爽やかな風丸もいいけどヤンデレ風丸もいいですね。つづきまってます＾＾あ、あとリクで不動をお願いしてもよろしいでしょうか？ (2016年6月4日 18時) (レス) id: 72f2e436b7 (このIDを非表示/違反報告)
御津(プロフ) - お話見ました！風丸さんの心情を考えると少し切なくなりますね…次回更新も応援しております！ (2016年6月2日 19時) (レス) id: cf5df0bfea (このIDを非表示/違反報告)
御津(プロフ) - 棗野 ｡さん» 受験お疲れ様でした！今回のお話も凄く面白かったです。足取りが重いって事は、風丸も風邪を引いたって事ですかね…？次回更新も応援してます！ (2016年4月3日 13時) (レス) id: 96c409f13d (このIDを非表示/違反報告)
神子 - 棗野 ｡さん» 今回の話もとても面白かっです！風丸がこれからどうするのか続きが気になります…！ (2016年1月24日 19時) (レス) id: 1303644707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗野 。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/simeyo/
作成日時：2013年6月9日 22時
