４、赤髪 ページ4
怖くなさそうなひとでよかった。
身体中にタトゥーのある、アメリカ系じゃなくて、むしろポッキーさんより常人ぽい。
たまに見せる笑顔はかわいいし、しゅっとした鼻もほくろも、普通。普通の人だ。
「あなたは本当にひとを殺したんですか？」
「はい」
「そう見えません。そんなハンデも背負っているのに」
記憶がすぐなくなるなんて。
「90分のうちに片付ければいいだけの話です」
「…」
末恐ろしい。
「それに、記憶がないって、自分にも頼ることができないから……朝起きて、周りの人間が仕事を依頼しにくると、どこか落ち着くんです。それはそういう性格とかじゃなく、ただ自分のやることがあるから」
「…はあ」
じゃあ、この監獄生活って地獄じゃないか。
「あなたは俺になにをしてくれるんですか？」
ビー玉みたいな瞳がこっちを向く。
「……え？」
「さっきのカケルさんは、機械で何か俺にするつもりみたいだけど」
あ、たしかにポッキーさん、この人のこと、実験体って呼んでたな……
「いや…駄弁るだけだと思います」
「…Aさんは、それで楽しいですか？」
「楽しくないです」
殺人鬼と一緒なんて、どうしても体が怖がる。
第一印象はいい人だけど。
「それより、ここ、寒くないですか？暖房入れてもらいます？あ、カーペットとか引きますか？ていうかベット無いんですか？ありえない！この監獄作り替えてもらいましょう！」
毎日通うことになるであろう場所だし。
「……え？」
「日光もほしいけど、ここ地下だし……設計ミス！あのぽきをに一言申しておきましょう！」
ねだる目標１LDK。
どうねだるか考えていると、暗殺者さんは、ふ、と笑った。
「あ……」
「Aさんは、しょーじきで、素直、ですね」
けけけ、って私に近づく、鉄格子の向こう。
ポッキーさんに対する不満を漏らしただけですけど。
１mくらいまで近づいてきた、暗殺者さんの顔を見上げた。
「じゃあ、内緒の話」
「？」
「あなたに、俺の秘密を教えてあげるー」
秘密？
「あ か が み の と も 」
「………？」
「僕が唯一覚えている言葉です。あかがみのとも。」
「とも……本名ですかね？」
「さあ、ともき、かもしれないし、ともや、かもしれない」
たった一言なのに、とっても大切な一言に感じた。
「赤髪……」
そう呟いたとき、ポッキーさんが私を呼び出す、オルゴールが響き渡った。
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サンゴ(プロフ) - すごい！もうほんとすごい((語彙力))更新、頑張って下さい！！ (2017年12月7日 19時) (
レス) id: 7fba23456b (このIDを非表示/違反報告)
たつどし(プロフ) - この物語のストーリーについ惹き込まれてしまいました！登場人物の表情や細い動作がわかりやすく読みやすいです！！ 更新停止となっていて少し寂しいです…プレッシャーをかけるつもりはありませんが、また更新を再開して下さるのを期待しています。色々頑張って下さい (2017年5月8日 2時) (レス) id: 15219600b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - コロボックルさん» ありがとうございます！！励みになります頑張ります(((^-^))) (2016年10月18日 22時) (レス) id: e3490e59f8 (このIDを非表示/違反報告)
コロボックル - ポッキーさんと赤髪さんの小説が読めるなんて!更新頑張ってくださいね!! (2016年10月18日 7時) (レス) id: baeee8abc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2016年4月7日 0時
