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考えて欲しい◇13.07.15 ページ38




最終審査の日が、刻々と近付く。


15歳以上しか出れないって制限があって、
碧海はステージに立てない。
それでもやりたいことがあるんだ、って、
夜に一人っきりで部屋にこもって、パソコンに向かい、
ファンの人達に向かって、マナーについて注意を呼びかけていた。

たどたどしい喋り方で、少しだけの語彙力で。
碧海は一生懸命だった。


水曜のステージでパフォーマンスするのは、オリジナルの二曲。
私も頑張らなきゃいけない。って、
Skypeを使って、夜までボイトレのお手伝いをした。


最終審査の二日前になって、

夜ご飯の後、お母さんに呼ばれて、
お父さんの車で、喫茶店に向かった。

喫茶店にお母さんと二人で入ると、
にーちゃんがいた。

「にーちゃん!」
会うのはセカンドシングルの撮影以来。
にーちゃんの正面の席に素早く座ると、にーちゃんは優しく笑った。
「Aちゃんも来てくれたの?ごめんね、わざわざ」

今日にーちゃんと会ったわけは、
やっぱり最終審査には参加出来ない、って話だった。

「ごめんね、ケースケ先生には迷惑かけるけど…あと、歌割り代わってくれるみんなにも」
眉を吊り下げるにーちゃんに、咄嗟に首を横に降る。
「ううん、いいよ。お仕事忙しいんだよね…白服さんとぷんちゃんととみたんに歌割り割り振ってるし、一人少ないバージョンで合わせたりもしたし…」

前々から、仕事の都合で、
にーちゃんからは、出れサマのステージは難しいかも、ってお母さんが連絡をもらっていた。
もし、最終審査を通れたとしても、
8月の本番ステージも、出れない、って。


「…A、にーちゃんのこれからのことについて、話さなきゃと思ったの」
「…」
隣のお母さんを見上げる。
「秋からツアーが始まる。とみたんを入れて、むすめんはもっと練習しなきゃならない」
「…うん…」
「でも、にーちゃんのお仕事は……先生っていう立派なお仕事は、そう簡単に休めるものじゃない…って、分かるよね、A」
「うん」
「………14のあんたには分かりにくい話かもしれないけど、Aにはこういうことについて、私やパパや、白服さんと、一緒に考えてほしいの」

「…こいういうこと?」
「きっとこれから何度だってある、メンバーのみんなの人生を左右する選択のこと。今みたいに」
「……どうして、私が?」

母さんは私を見て微笑んだ。
「今までもこれからも、あおいはむすめんにとって大事なメンバーの一人で、あんたはあおいにとって、大事な理解者の一人だからだよ」

尖っていこうぜ◆13.07.25→←グアムとか◆13.07.14



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ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!!申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…! (2018年10月7日 19時) (レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しみにしてます!これからも更新頑張ってください〜!あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです! (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2018年10月6日 5時

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