ためだって◆13.06.06 ページ33
＊
俺たちが修学旅行から帰った日、
それは、決戦の始まりの日だった。
「母さん、公式からお知らせしたよね！？」
家に駆け込んで、
台所で料理していた母さんに、開口一番。
「まずはただいまぐらい言ったらどうなの」
「ただいま！」
「おかえり。しといたよ」
「オッケー！ありがと！」
荷物を全部床に下ろして、伸びをする。
「洗濯物ちゃんと出してね。何も事件なかったよね？Aは？」
「一応実行委員だから、最後にちょっとだけ集まりあるの」
「置いてきたの？待っててあげればよかったのに」
もう外は暗い。
大丈夫かな、ってお母さんは時計を見た。
「さっさーも実行委員だし、いいかなって…」
「あぁ、そう…」
「白服さんたちにも、宣伝しといてくれるように言った？」
「言わなくてもしてたよ。後はあおいだけだと思うけど…」
「そっか」
バッグからスマホを取り出して、ソファに座り、
ツイッターでみんなの反応を見る。
それにしても。
「通るかな……一次審査」
公式からのツイート、
大々的に書かれてるのは、
��出れんの！？サマソニ！？��。
リプ欄を見ると、
頑張って！って言葉で溢れてる。
もっと多くの人に見てもらうために、
母さんが白服さんと話し合って、エントリーを決めたらしい。
出れサマは、イメージ的にはロックバンドの卵が、
メジャーデビューを目指すコンテスト。
ロックバンドとアイドル。
正反対って感じすらする。
一応アイドル部門ってのはあったけど。
いや待て、俺らアイドルじゃないぞ…？
「まあ、神頼みだね」
母さんの方からは、トントン、って野菜を着る音。
冷蔵庫の前に出されてる食材からして、今晩はカレーライスとみた。
「実力派じゃないし。場馴れもしてないし」
「あるのはSNS上の人気だけ…」
思わずため息をついた。
もし一次審査を通れても、その後は…？なんて、思っちゃう。
「やるしかないよ。応募したんだもん」
母さんが人1と応募の準備をしたのは、締切ギリギリ一日前だった。
人1も言ってた。
やるしかないって。
「…あ。大阪でのっくんたちに会ったんだって？」
「うん」
「もー、学校のきまりに合わせて行動しなさいよ……どうせまた奢ってもらったんでしょ」
今度何かお礼しないと、って母さんもため息。
「Aの相談に、ちょっとだけ乗ってもらったんだよ」
「…」
「…歌の教室の先生に、もうレッスンにも、コンテストにも出る気は無いって言っておいてよ。みんなで、そう決めた。それがAのためだって」
最後にならなきゃ◇13.06.08→←変な人たち◇13.06.05
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ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！！申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください〜！あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです！ (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2018年10月6日 5時
