最後にならなきゃ◇13.06.08 ページ34
＊
あー、あー、あー。
歌のスタジオを借りて、
新しく混じったとみたんと一緒に、歌のレッスン。
「やっぱり、とみたんは歌が上手だね」
よく通る声で、
のびがあって、綺麗なビブラートも出せる。
表情も豊かで、見てて、聴いてて、気持ちいい歌声。
とみたんは、えへへーって笑った。
あっすーから、とみたんに加入してもらおうって提案を受けた後、
もちろんメンバーのみんなにも相談したんだけど、
満場一致だった。
とみたんはむすめん。が好きだったし。
何より、とみたんはカッコいい。
太陽みたいに明るい性格、すらっとした体型、
高い鼻、ぱっちりした目。
嫌いになる人なんていないと思う。
だから、絶対大丈夫やと思う、ってぜっちゃんも言ってた。
「ハルヨシさんが言うには、この曲はとみたんが恋をするイメージなんだって。とみたんには見せ場もあるからね」
「任せてー！噛む練習もちゃんとしてくるから！」
「じゃあ、通してみるね。歌い出しは最初の子音をはっきりさせて。あと、すぐに切らない。頭の中で常にカウントして、最後まで伸ばしてください」
「はい」
ハルヨシさんから貰ったデモ音源を流す。
みんなは軽く振り付けと合わせて、声を出す。
歌詞カードを見ながら歌う、みんなの顔を見渡す。
野崎さん、顔色悪いな。
無理してるんじゃないかな。
ぷんちゃん、少し痩せたかも。
にーちゃんは、いつまでこうやっていられるんだろう。
仕事が忙しくて、出れサマには参加出来ないかもしれない、って言ってた。
この曲が、最後にならなきゃいいけど…
新しいことを始める度に、
新しい不安が生まれる。
みんな、楽しそうだし、
初単独の前よりかは、活き活きしてるし、
でも、大人はすぐに無理するから、
少し、心配。
「Aちゃーん？」
ぷんちゃんの声で、はっとする。
「終わったで！どうやった？」
…ぼーっとしてた。
あはは、ってみんなが笑う。
「えっと、良くなってます！とみたんソロのとこ、ぷんちゃんもっと、負けじとグイグイいっていいと思う。どっちも、声量あるし…」
「はーい」
「あおい、言っちゃえよ の部分は裏声でいったほうが綺麗かも。あと、のっくん、少しリズムがズレてる…？げるたんは、それじゃダメだ…のところ、最初の音が違うかな」
はーい、って声が揃う。
ダンス練習もしなきゃいけないから、歌の練習はここでお開き。
細かいこと言ったけど、このままでもレコーディングは大丈夫そう。
休憩時間。
ダンスの練習が始まるギリギリまで、
みんなで音程を確認し合ってて、
なんだか、心がポカポカした。
気持ちちょっとだけ◆13.07.14→←ためだって◆13.06.06
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！！申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください〜！あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです！ (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひな | 作成日時：2018年10月6日 5時
