変な人たち◇13.06.05 ページ32
「…なんか俺話すのヘタクソだけど、伝わったよね？A…」
「…うん…」
「どうする…？今ここで結論出そうよ。何で迷ってるの…？」
「…あの部屋から離れたら、本当に歌から離れちゃうことになりそうなの」
ストローに口を付けて吸う。
甘ったるい水分が口の中を潤して、
ちょっと目線を碧海の方まで上げると、碧海はまっすぐ私を見てた。
「…いつも部屋だけ貸してもらって、私の個人練習もさせてもらってたし…碧海たちだって、使えるようになるでしょ？私経由で、ちゃんとした先生にボイトレして貰えるかもしれないし…」
って、
ちょっとだけ本心を言ったら、
碧海は案の定、目を見開いた。
「嘘でしょ！？そんなバカみたいな理由なの！？」
「だって、ホントじゃん…」
「気取りなんだからそんなのいらないよ！これまでだってそうじゃん」
「私はいつか 気取り を外したいの」
「…」
「むすめんのこれからに本気なんだもん」
自分のことは全く考えてない、
って言ったら、嘘になるけどさ。
私はむすめん。に感謝してる。
碧海が普通の形相に戻って、
少しジッと見つめ合った後、
隣から鼻を啜る音が聞こえて、
隣を見て、ギョッとした。
「なんで泣いてんの！？」
私より先に碧海が、のっくんを見上げて言った。
のっくんもぷんちゃんも、鼻を真っ赤にして、
ぽろぽろ涙を零している。
「ご、ごめんね、泣かないで…？ぷんちゃん」
背中をさすると、ぷんちゃんは泣きながら笑った。
碧海はきょとんとしている。
「いや、マジで、どこに泣くポイントあったの…？」
「いや、なんか……ほんま二人とも優しすぎて泣けるやん…」
「あおいくんはめちゃAちゃんのこと考えてるし、Aちゃんはめちゃむすめんのこと考えてるし、こんなちっちゃいのにこんな真剣に話し合ってるし……」
ポケットティッシュを差し出したら、何枚も取って鼻をかんでる。
変な人たちだ…。
思わず碧海と顔を見合わせて、笑った。
「ほんまAちゃんで良かったわ…」
ぷんちゃんは涙を拭いて、私に笑いかける。
「…何が？」
「あおいくんの双子が、俺にめっちゃ懐いてくれる子が。あ、もちろんあおいくんがむすめんで良かったのが一番やけど」
「二人なら、敵無しやと思うで」
のっくんはまだ泣いてる。
「今みたいに支えあってればさ、何も怖いもん無いって、絶対」
「のっくんとぷんちゃんも一緒だよ」
「俺も！二人がいれば、もっと最強だと思う！」
私と碧海が笑うと、
もー、また泣かせに来るやん！
って、二人も笑った。
ためだって◆13.06.06→←良くないっていうか◆13.06.05
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ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！！申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください〜！あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです！ (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2018年10月6日 5時
