いいのを知ってる◇13.05.30 ページ28
＊
お風呂上がり、
リビングにいたお母さんがスマホを覗き込んで、ため息をついているのを見た。
ドライヤーは後にして、その画面を一緒に見る。
それはツイッターの画面だった。
これも、エゴサってやつ。
「…むすめんについて、調べてるの？」
「うん…」
お母さんの表情が晴れないのはそのはずで、
母さんが見ているツイートは、
��変わってしまったむすめんが嫌だ��
��前のむすめんが好きだった��
そんな言葉で溢れていた。
変わってしまった、むすめん。
私たちがこの道を選んで、メンバーのみんながこの道を選んだ以上、
仕方ないことだって分かっていても、
鋭い刃が、心にチクチク刺さる感じがする。
お母さんはまっすぐ、その言葉を見つめている。
少し疲れた顔をしていた。
「…こんな商業的なことして……着いていけなくて、離れていっちゃうのも、仕方ないね」
「…でも…」
ふと、あっすーのことを思い出す。
言葉が途切れた。
「……分かってるよ。Aもちゃんと見てるみたいに、新しいむすめんが、好きだって言ってくれる人もいっぱいいる」
ツイッターでは、メンバーや、公式のリプ欄を見ればいつだって、
あったかくて優しい言葉が溢れている。
いつだってそれに、勇気付けられてきた。
「もっと多くの人に見てもらわなきゃいけない」
小さく呟いた。
踊ってみた っていう、一つのカテゴリーの中で頑張っていても、むすめん。は大きくなっていかない。
踊ってみたのカテゴリー自体、大きいものじゃないから。
踊り手の枠を超えたことがしたくて、
曲を出したり、単独ライブをしたりしてみたけど、簡単に知名度は上がらない。
「うん、そうだね……むすめん。の知名度をグンって上げる、何かが無いと」
母さんは頷いて、スマホのページをむすめん。の公式アカウントに変えた。
「知名度を上げる何か……ピアノとかボーカルだったら、何かで賞をとるとか？」
「要はコンテストだよね」
「……私、いいのを知ってる」
お母さんのスマホを借りて、
ホームページを開く。
��出れんの!?サマーソニック2013��
その画面を見せたら、
最初、お母さんはポカンとしていた。
「……A、あんたってやっぱり、しっかりしてるように見えて変な子だわ」
「あおいと同じかな？」
「たまに、あおいよりもトッピだよ」
お母さんは私からスマホを受け取って、
募集資格の欄を見た。
��アイドル部門��が、ちゃんとある。
「…ロック系のバンドが集まるコンテスト ってイメージではあるんだけど」
「私も同じ。でも………やってみる価値、あるかも」
会いに行こうね◆13.06.04→←そういう気分◆13.05.30
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ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！！申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください〜！あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです！ (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2018年10月6日 5時
