そういう気分◆13.05.30 ページ27
＊
ワンツースリーの後に撮った動画は、
ぷんちゃんとのブレインストーミングだけだった。
何気に初コラボ。
ぷんちゃんは前々から撮影を急かしてたんだけど、
絶対それ、人1に会いたいだけじゃん！
それからはまた、踊ってみたと関わらない日々が続いた。
少しずつ、セカンドシングルの準備が進んでいったくらい。
とみたんは元々歌の上手な人で、
人1のボイトレ先生も、Skypeだけで終わってた。
母さんは、ツアーの日程を決め始める。
東京公演では夏にやるって言ったけど、
忙しくなりそうだったから、秋以降になるって。
ワンツースリーの動画は、注目を浴びた。
これまでに無いくらい。
ヤフーの検索上位項目に載ったり、
踊ってみたを知らない人にも、俺達の存在が伝わったかもしれない。
五月も後半になると、暑くなってくる。
東京行くからさ、また遊ばへん？
交通費俺らが払って、大阪ででもええで。
そんなLINEが、人1宛に関西組から頻繁に来る中、
当の本人は、いつも歌のスタジオに篭もりっきりだった。
俺がダンススクールに行く時は、一緒についてきて、
俺の練習が終わっても、ずっと鏡の前に向かっていたこともある。
覗き見た感じ、ずっと歌ってるわけじゃなくて、
自分のや、友達のファイルを眺めたり、
真ん中に寝っ転がって宙を仰いだり、
ぶらぶら歩き回ったり、
ピアノに触ったり。
「何か、歌いたい曲があるの？」
帰り道に、ふと尋ねた。
俺は、人1にもっと歌って欲しかったけど、
人前で歌うことを、勧めなかった。
ちょっと矛盾してるかもだけど…。
でも、この前の東京公演で、
人1が、歌ったことを楽しい！って思えたなら、
それより嬉しいことは無い。
「……そういうわけじゃないんだけど」
「うん」
「…でも……何か、そういう気分」
歌のレッスンの先生が、たまに連絡を寄越してくる。
先生は、人1が歌った動画がアップされてるのを知ってる。
声が出るようになったのなら、コンテストにはまだ参加しなくていいから、またレッスンに来てみないかって。
人1は、くたくたになるまで履き潰した、白いスニーカーで、地面を蹴る。
「…あんま部屋に篭ってると、逆に疲れない？」
俺は人1に笑いかける。
「そうかも…」
「ぷんちゃんたち、Aに会いたがってるしさ…少し遊んでくるとか。母さんも悪く言わないよ」
「うん」
でも、どこか、行き詰まったような表情は変わらない。
単独から一ヶ月経つ。
人1が何を悩んでるのか、俺はまだよく、分かってなかった。
いいのを知ってる◇13.05.30→←今日はオトナな◇13.04.29
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひな(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！！申し訳ありません、うっかり忘れてました…(_ _)更新頑張ります、よろしくお願いします…！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください〜！あ、あと(人1)の変換ないので作るか全て(名前)に統一して下さるとありがたいです！ (2018年10月7日 16時) (レス) id: aa9580c9fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひな | 作成日時：2018年10月6日 5時
