ひかる (ページ7)

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想像しただけで◆11.12.11 ページ7

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ダンマス3の出演をきっかけに、
俺は先生とたくさん動画を撮るようになったし、
おがくずくんとか、いろんな人ともコラボするようになった。

その現場の殆どに、人１も同行した。
カメラも、母さんが忙しい時は人１が回した。
最近は編集の仕方も教えてもらってる。

でも、名古屋の「HeartBeatsオフ」の時は、
人１は来なかった。
おいでよって言ったんだけど、人１は、踊るの得意じゃないから、って言って。
経験ない人もいっぱい来るイベントなんだから、来ればよかったのに。

「き、まぐれぷりんすさん」

カメラモードになったスマホを握って、
動画も撮り終えた楽屋で、思い切って声をかける。

「あー！あおいくんや！ダンマス3一緒やったよね？」
「はい、あの…写真、撮ってもらえませんか？一緒に…」
気まﾌﾟﾘさんは、ええよーってにっこり笑った。
いつもは人１にシャッター切ってもらうんだけど、今日は自撮り。

ダンスもキレキレの気まﾌﾟﾘさん、
すごいなぁって憧れてたから、会えてよかった。

「あと、連絡先…」
「ん、もちろん！LINEでええ？」
「はい！」
「…あのさ、あおいくん」

気まﾌﾟﾘさんはスマホを触りながら、俺を見下ろした。

「？」
「もしかして妹とか、いる？」

…どうしてそれを。

「います…けど」
「ああ、やっぱり？結構歳近いやろ？」
「双子です！一卵性の…」

気まﾌﾟﾘさんは、あははと笑った。
「…Aを知ってるんですか？」

「あっちは知らんと思うけどね」
「…」
「今日は一緒ちゃうの？」

スマホ画面に、気まﾌﾟﾘさんのLINEアカウントが表示されて、
【追加】をタップする。

「今日は…ちょっと」
「そっか、残念やね、一緒に踊ってくれたら嬉しかったんやけど」
あ、もちろん、あおいくん来てくれたのは嬉しいで？って言いながら、
気まﾌﾟﾘさんはスマホを胸ポケットに落とす。

「…Aは、ダンスとかあんまり得意じゃないからって言ってて」
「あー…まあそんな風には見えへんけど」
「……でも」

ふと、
思いついた。

「ん？」

「歌うことなら、できます…！」

「……歌？」

「Aが歌って、俺が踊る…」

ちょっと想像しただけで、
ワクワクしてきた。
やってみたい！

「それを、動画にしてくれるってこと？」

「はい！HeartBeatsで！絶対投稿します！」

気まﾌﾟﾘさんは微笑んで、
俺の頭に手を置いた。

「楽しみにしてる！」