Ver.37 (名前)side ページ39
『俺と付き合って下さい』
蝉が鳴く準備を始めたばっかりの頃、同じサークルの人に告白された。
忘れもしない。
門の前で顔を赤くして私をじっと見つめていた彼を。
「…はい」
私はゆっくりと目を伏せ答えた。
彼は…桐春
颯汰は大学内でも飛び抜けてかっこよかった。
性格は少しチャラく、良く言うと
どんな人にも明るく話しかけられる気さくな人だ。
だから皆からも人気があった。
付き合い始めて2ヶ月経った頃から、
颯太は自分の価値観を押し付けてくるようになった。
颯「普通さ、弁当には卵焼き入れるよね」
私が作ったお弁当に文句を言うくらいはまだ可愛いものだ。
颯「それつまんないじゃん、こっちやりなよ」
私がプレイするゲームにもいちゃもんを付け、
無理やり自分の好きなゲームを押し付けてくる。
「え…でも私は」
颯「何？俺が言ってんだからさ」
その時の颯汰の目は忘れない。
鋭い視線に私は背中に冷たいものが走った。
「ごめんそろそろ帰るね」
私が立ち上がると、颯汰が腕を強引に引き
「…！」
唇を重ねてきた。
「い、っや」
焦って離れると颯汰は
颯「なんで逃げんの、意味わかんね」
さっきより冷たい口調で吐き捨て、
手元のスマホに目を戻した。
…怖い。電車に揺られながら震える手を固く握った。
その頃から私は颯汰に少し恐怖を感じていた。
でも、私が上手くいかなかった時だっていつも颯汰は支えてくれた。
辛い時はいつもそばに居てくれた。
なにより、暖かく笑う顔が好きだった。
だから私はやっぱり颯汰が好きだった。
ある日、大学の廊下を歩いてた時に後ろから聞き慣れた声がした。
振り向くと颯汰が居た。
颯「は？なにやってんの？」
怒った声。
「何って…」
颯「意味わかんねぇ！なんで髪切ったの？俺長いの好きなのに」
こんなに声を上げる颯汰は初めて見た。
「え…」
私はすっかり短くなった髪を触る。
前は、ロングほどあった髪を夏に向けて切ったのだ。
颯「─大体お前はもとも女らしくもねぇのに、
髪なんか切っちまったら男じゃねぇか！」
怖い顔をして颯汰が怒鳴った。
「…っなんなの！私の好きにさせてよ！」
震える声で私も言い返す。
颯汰はいきなり静かになって、あの冷たい目と声で
颯「…もういいよ。別れよ、女じゃねえやつと付き合えねえわ」
私に絶望したかのように吐き捨てた。
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真宵(プロフ) - 漆黒の翼をもつカリスマことレミリア・スカーレットさん» 私もトミーとカンタどっちも同じくらい好きです(*^^*) 更新楽しみだなんてあたたかいお言葉をありがとうございます！更新頑張らさせていただきます (2018年4月23日 19時) (
レス) id: 8ded09a467 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の翼をもつカリスマことレミリア・スカーレット - このお話しではトミーが好きなんですね私はカンタが好きです!更新いつも楽しみにしてます頑張ってください! (2018年4月21日 23時) (レス) id: 64fa08433d (このIDを非表示/違反報告)
真宵(プロフ) - 雪見だいふくさん» 名前変換設定完了しました！ご迷惑おかけしてすみませんでした (2018年4月2日 22時) (レス) id: 8ded09a467 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - 名前変換ができないですね…お話が好きなので、どうにかしていただけませんか？ (2018年4月2日 21時) (レス) id: 70d27da5d4 (このIDを非表示/違反報告)
真宵(プロフ) - 好美さん» 嬉しいです！ありがとうございます！ そのお言葉を励みに頑張って更新させていただきますね！ (2018年4月2日 6時) (レス) id: 8ded09a467 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真宵 | 作成日時：2018年3月7日 21時
