北山さんとの恋。2

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「ここのお店すっごく気に入りました。

北山さんと話すのも楽しいし。

いつも、あんま楽しいことないから…」




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お酒が入った私は

気付いたらベラベラ話していた。





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「おっ、嬉しいこと言ってくれるね〜。」



「北山さんは、このお店で働いていて楽しい？」




「そりゃ、自分のお店だし

好きでやってることだから、楽しいよ。」






清々しい表情を浮かべる。


「そっかあ…羨ましいです…。」





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北山さんが眩しくて。



なんで私…結婚なんてしたのかな。





でも、どこで間違ったのか分からなくて

そんな状況に泣きたくなる。





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「Aさん、帰んないの？

もうだいぶ遅いけど…」




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気付いたら、時計は2時を示そうとしていて

いつのまにかお店にいるのも

私と北山さん、の二人だけ。





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「もう閉店ですか？」


「そろそろしめよっかな、って思ってる。」


「…帰りたくないなあ。」





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ふと、漏れた言葉。





今、ここを出たら

戻ってくるのは、あの日常。


夢みたいなこの空間から

抜け出したくない。





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そんな私をみた北山さんは


新しいカクテルを作り始めた。



ジン、ベルモット、チェリーリキュール。




出来上がったのは

赤くて、甘い、魅惑的な色をしたお酒。




…まるで、これから何かが起きる

と言ってるような。






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「お店はもう閉めるけど、

まだここにいていいよ。」



と言いながら、私の隣の席に座る彼。





「キスインザダークです、

どうぞ召し上がれ。」

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