19話 ｢それはきっと、怪しいモノ。｣ ページ23
ギイっと軋む扉を開けると、その中は驚くほど普通だった。いや、普通に
｢随分と物が少ないね｣
｢前はここまで少なくはなかった。元々あの審神者は所持している物の数が少なかったが……｣
｢と、いうことはだ｣
振り返り、山姥切に答えた。
｢見られたくないものは全て処分してここを去った。そういうことじゃないかな｣
どのようにして審神者がここを去ったのかは定かではないけれど、ひとまずは一通り物色することにした。いずれ僕の部屋にもなるところだしね。
棚を開ける。押し入れの中を見る。引き出しを開ける。そんなことを繰り返して10分が経った。
｢Aさん、何もないよ｣
｢そうだね。何もない。おかしいな｣
こてん、と首を傾げた。ここまで何もないとは思わなかったから。あるいは、僕が見落としている？
しかしここで、山姥切が口を挟んだ。
｢審神者はよく庭で何かを燃やしていた。何度聞いても冷たくあしらわれるだけで、何を燃やしているのか分からなかったが……それらが、審神者にとって見られたくない何かだったのかもしれない｣
｢おや、そんなことがあったのかい。それは重要な情報だ｣
燃えてしまったのなら残っていない。さて、どうしようか。
ぐるりと部屋を見渡し……ある1つの置物に目がついた。大理石で出来ている、少し大きな置物だ。とはいえ、僕が抱えられる程度の大きさだけれど。
僕はそれに近づき、それを持ち上げようとする。しかし流石の僕でもそれは重かったようで、持ち上がらなかった。仕方ないな。
｢蛍丸、これを持って｣
｢うん、分かった｣
蛍丸はひょいとそれを持ち上げる。流石は大太刀。続いて蛍丸に指示を出した。
｢それを振ってみて｣
｢こう？｣
言われた通りに蛍丸が置物を振ると、中からカラカラと音がした。うん、当たりだね。
｢主さん、中に何か入ってる｣
｢そうだろうね。こんなにも何も置いていない部屋なのに、この置物はあるのは、どう考えても怪しい。そう思わないかい｣
｢ああ、確かに怪しいな。俺はずっと、審神者の趣味なのかと思って疑いもしていなかったが……迂闊だった｣
｢いや、疑わないのは当然の反応だよ。だってこれは、
しかし山姥切の顔は晴れないようで、俯いている。
とりあえず、次の指示を蛍丸に出した。
｢蛍丸。それをひっくり返して、裏を見せてくれるかい｣
20話 ｢それはきっと、信頼による弾丸。｣→←18話 ｢それはきっと、有用な技術。｣
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蜂蜜パスタ | 作成日時：2024年1月14日 12時
