9話 ｢それはきっと、決定的な案。｣ ページ13
｢さあ、暫定プランは全て示したよ。ここから上手くプランをまとめたい。あなた達の意見はどうかな｣
｢そうだな、ふむ｣
煙草を指に持ちながら、雪落は前のめりになって答える。
｢まとめなくていいんじゃねぇの？｣
｢……まとめ、ない｣
｢確かにプランの数自体は多いが、その内容は簡潔によくまとまっている。どのように立ち回り動くのかは恐らくアンタの頭の中にはあるんだろうしな｣
｢ああ、当然｣
こくり、と頷いた。そして横にいる蛍丸に問いかける。
｢蛍丸は、どう思う｣
｢俺？俺も、まとめる必要はないかなって思うよ。難易度順に分けられてるのも分かりやすいし。むしろこれ以上絞り込む必要もないんじゃないかな｣
｢そう。じゃあこのプラン10通りで動こう。詳しい
分かったと頷く蛍丸。この子はいい子だ。顕現させたのが僕だからだろうか。恐らく早くに
｢さ、じゃあおおよそのやり方も確認できたわけだ。アンタら、もう行くんだろう？｣
｢その通り、理解が早くて助かるよ。ああ、そうだ蛍丸｣
｢何？｣
こそ、と蛍丸に耳打ちする。
｢僕が『ショット』と言った時は、僕が弾を
｢分かったよ、主さん｣
雪落に向き直り、まっすぐに見据えた。雪落も、携帯灰皿に煙草の吸殻を入れている。
｢じゃ、案内するから付いてこい。……ああそうだ、『
｢審神者名。考えていなかった。そうだね、審神者の
しばらく考え、俯く。
｢決めたよ。僕の審神者名はAだ。Aにする｣
｢ああ。じゃあよろしく頼むぜ、『A』さんや｣
皆立ち上がり、その密室を出た。向かうのは……ゲート。
周囲に人がいない間に、
蛍丸は、
｢さ、ここだ。ちょっと待ってろ｣
雪落が、プログラムに何かを打ち込み始めた。
10話 ｢それはきっと、明確な殺意。｣→←8話 ｢それはきっと、明確な牽制。｣
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作者名：蜂蜜パスタ | 作成日時：2024年1月14日 12時
