【刀剣乱舞】右手に黒薔薇、左手に拳銃 (ページ12)

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8話｢それはきっと、明確な牽制。｣ページ12

｢誰が襲ってきてもおかしくない状態だから、こちらに無関心あるいは友好的態度のある刀剣男士を1人でも見極める必要性が出てくるよ。その上で、ほかの彼らにも真摯な対応(・・・・・)を続けなければいけない｣
｢で、最後の9と10は？｣
｢簡単だよ｣

煙の匂いで部屋が充満してきた頃になってきた、ああ、美しくない(・・・・・)な。

｢暫定プラン9、刀剣男士全員がこちらに向けて殺意がある場合。真摯な対応(・・・・・)を続けつつ心理的駆け引きを始めるんだ。それで、最後の暫定プラン10だけれど｣

ふうっと息をついて、1度下を向いてからまた顔を上げ、僕はハッキリと告げる。

｢暫定プラン10、刀剣男士がこちらに向けて『殺害行為』を行ってきた場合。この場合はより丁寧(・・)で真摯(・・)かつ友好的(・・・)に対応させていただくよ｣
｢……???｣

蛍丸が首を傾げながら僕を見ている。そして雪落も、やれやれといった様子で鼻で笑った。

｢『censor(センサー)』さんや、裏の言葉(・・・・)で言われても説得力がないぜ｣
｢……おや、これは間違えてしまった。失礼したね。では直球に表の言葉(・・・・)で言わせてもらうよ｣

ローファーで床を叩くことをやめ、空間には静寂が広まる。2人とも、僕に注目している。
まっすぐに雪落を見て、そのまま蛍丸を見、また雪落を見た。

｢こちらも殺意(・・)を持って明確に殺害対象とみなし(・・・・・・・・)、完全な武力と暗殺術(・・・・・・)を使い攻撃(・・)させていただく｣
｢……待って、主さん。『真摯な対応』ってまさか｣
｢あれ、これも通じていなかったのかな。銃を構えて牽制する(・・・・・・・・・)ことを指していたんだ｣
｢それだと、逆に相手の殺意を煽ることにならない？大丈夫なの？｣

蛍丸は不安げに僕の顔を覗いてきた。しかしこれはどうしても必要なことだ。特に僕は裏社会の人間なのだからね。

｢丸腰であると思われるより、こちらにも攻撃の手段はあるぞと示した方が、お互いにお互いへの牽制になって逆に上手く事が進む場合の方が多いんだ。こちらが攻撃すれば向こうからの攻撃もある、そのリスクがあると考えてごらんよ。特に今回僕らの目的は、刀剣男士を殺すことではない。殺すならそのままその刀を折ってあげても(・・・・・・・)いいんだけどね｣
｢そっか……｣

蛍丸はそのまま、俯いてしまった。